XXさんから電話があった。「貴女、知人、友人が多いから、今度バンクーバ―で上演する宝塚OGの上演切符を売ってくれない?」「あのね、○○さんが主催者で今回売れなくて困っているけど、彼女を応援してあげたいんだ。○○さんって本当に良い人だからね」。そして、私も応援したい。けれどその時、自分の体調が悪く、身体はフラフラ眩暈、難聴、足を痛めて歩行難等で状態が悪くてPCを使う事さえしんどかった。とても切符売り出来ない。しかし、気持ちは「マイケル J. フォックス劇場」で上演される「宝塚OGショウ」、それを観たくて見たくてたまらなかった。
そして、いよいよ上演日が間近になった。ふっとPCのページを開けると何と懸賞で「宝塚OGショウ」、その切符が「当たる」という。試しに応募した。
数日後、「うわぁー!当たった。当たったのだ、2枚セットで切符が」。嬉しかった。眩暈の体調は良くはなかったが、運転してくれる人がいれば行ける状態だった。そして、直ぐに運転して一緒に行ってくれる友人を見つけ、私はショウに行った。 当日、驚いたのは閑散としているかもしれないと思っていた劇場は、満杯だった。私の席は中間席でステージが見やすい所でありがたかった。
中間席の前が通路になっていて、そこを観客が通り席に着く。通る人、通る人、皆互いに挨拶している。まぁ、どうして、私でもこんなに知っている人が多いのだろう。
だんだん認知症傾向が出てきているこんな老齢者、私でも、昔の知人に沢山会えた。しかし、記憶に残っていない人もあり申し訳ない。多くの友人達、その名前は全部とても思い出せなかった。
そして、ここで驚き「『セレンディピティ』幸運をつかむ」。全く知らない私の隣座者が、真実なんと私の友人だったのだ。本人の許可を取って此処に彼女のお名前を書かせてもらう「池条佐衣子」さんだ。どう考えても記憶になかったが、彼女は私を知っていた。10数年前お医者さん田中先生の母、洋子さんが中心になって「題名のない会」と言うどちらかと言うと「スピリチュアル」系の勉強会を我が家でやって居た。佐衣子さんはその会のメンバーだったという。とても信じられなかったが、兎に角、色々御存じで、一緒にお話しするだけで楽しかった。無論、宝塚OGのショウも素晴らしく、上演者が観客席の間に下りて来て、観客全員を「虜」にし、舞台と客席が一緒に音楽を、ダンスを、楽しんだ。あんな楽しいショウはめったに見ることはないだろう。兎に角、素晴らしかった。
そして、その数日後、隣席だった「池条佐衣子」さんから以下なんと13年前の私達のメイル「Date: 2010/04/05 月 20:18 Subject: Re: 昨日はお会いできて嬉しかったです」と言うメイルが届いたのです。
2023年08月25日
澄子さん、
昨日、宝塚OGショーで隣席に座っていた池条佐衣子です。お元気そうでなによりです。
あれから家に戻って昔のemailを引っ張り出してみたら見つかりました!初めてお会いしたのは2010年でした!以下は昔のemail初めて交信させていただいた時のものです。
題名も「昨日はお会いできて嬉しかったです」ですが10年以上の時を経て、今日も同じ題名です^^本当にご無沙汰していました。
今度こそ、近いうちに飲茶ご一緒にしましょうね~~池条 佐衣子
以下が彼女から今回転送されてきた10数年前の私の送信メイルです。
今もう後一ケ月半で84歳になろうとしているこの自分が、13年前、70歳で書いたメイルを受信者から見せて頂けた、この偶然と不思議、「本当、それ?」「うーん、本当なのよ」
Date: 2010/04/05 月 20:18
Subject: Re: 昨日はお会いできて嬉しかったです。
佐衣子さん、
私も本当にお会いできて嬉しかったです。生きていると一歩、歩む毎に色々な問題に出会いますね。無知から出た失敗も、知っていながらぶつかってしまう問題、色々です。私は昨年70歳になり、今年71歳です。此処まで生きていると生き方のコツと言うか、生きている事の素晴らしさが胸いっぱいで、広い海に絶対沈まない筏にのって、さんさんとそそぐ太陽の光と、そよ風と溢れる場からの自然の愛とに育まれて生きている感じでいます。考えてみれば淋しい一人住まいであるかも知れないけれど、其れに変わるかぞえ切れない幸せが転がってきます。
2001年に卒中で両手が動かなくなり、体内大出血で残り20分の命をVGHで助けられてから、人生観がかわりました。
毎日起こる出来事の100%、全ては私達にとって今必要だから起きている事だと思って下さい。病気になる事も、ヴィザの問題も、道を間違える事も、人と喧嘩する事も、子供に優しい言葉を掛けられて嬉しいと思う事も、全て全てなのです。理由があってその事を今、貴方が体験しなければいけないと天が経験させて下さるなら、その理由を考えながら、喜んで問題を受ける方が楽ですよね。問題を解決する度に私達の心は成長して行くのですものね。
そんなことを毎月1回私の家で勉強し、話し合う会があります。「題名の無い会」と言いますが、是非、遊びがてら一度いらっしゃいませんか?宗教には一切関係なく、宗教関係の話は持ち込むと嫌がられ、私は宗教に関係ありません。でも本当に人の心が温かく感じられる場所ですよ。今回は4月11日11時から3時までですが、お弁当持ちで来てください。普段15名くらいが集まりますが、今回は日本へいらしている方が多く今の所6−7人かと思います。
住所は10580Butteremere Dr., Richmond, B.C. 電話は604−271−7897です。
それから、お子さん用のベッドを探しているなら、私の所に2段ベッドとマットレスがあります。大人用サイズですから使えると思います。もし、運搬やに依頼しても多分お得だと思います。無論無料で差し上げます。是非おいで下さい。心から愛を込めて 許 澄子
From:池条 佐衣子
To:すみこ様
昨日のきょうこさん宅でのガレージセールですみ子さんとも偶然お知り合いになれてとても嬉しかったです。最近、うちの息子の国籍問題で、気分が落ち込んでいたのでお話も聞いてもらえて少し楽になりました。香港人とご結婚されてからカナダに住んでおられるという背景が同じ大先輩にお会いできて、本当にご縁に感謝したいと思います。また今度ゆっくりお話ができれば幸いです。
多謝!佐衣子
そして、佐衣子さんと私は広東語で今回話が出来ました。私は香港に11年住み、彼女も香港に住んでいたのです。
「『セレンディピティ』幸運をつかむ」、この世で会うべき人と、天に会わせてもらえた気がします。
セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
許 澄子
2016年からバンクーバー新報紙でコラム「老婆のひとりごと」を執筆。2020年7月から2022年12月まで、当サイトで「グランマのひとりごと」として、コラムを継続。2023年1月より「『セレンディピティ』幸運をつかむ」を執筆中。
「グランマのひとりごと」はこちらからすべてご覧いただけます。https://www.japancanadatoday.ca/category/column/senior-lady/