カナダde着物
第55話
*海外で暮らしながら着物を愉むこと*
今年の干支「辰、龍、竜」。
神話や伝説などに出てくる想像上の生きもの「ドラゴン」を意味しているそうですが、どれも勇ましく神秘的なイメージがあります。
妄想の世界での理想の男性に近いでしょうか(笑)
さて、2024年が始まりました!
年明け早々に上空から思わぬ雪のお年賀が届きまして、外は銀世界で美しいのですが、雪に弱いといわれるバンクーバー近郊では、大渋滞やスリップした車が立ち往生し、年の初めから大慌ての日々となりました。
それでも、2年前のクリスマスの時のような飛行機の欠航も少なく「雪が降る街」から「雨の降る街」に戻りつつあります。どちらも恵の水には変わりませんね。
今年も龍が天に昇るように、皆さまのご成功とご発展をお祈りいたします。
*今日の着物*Today’s Kimono
「海外に暮らしながら着物を愉むこと」
「いったい何枚の着物を持っているの?」とよく聞かれます。カナダにあるお寺などで着物のレンタルもしているので、やはり普通の方より数は多いかも知れません。着物は私の生活の一部になっており生きがいのようなものですから、一緒に住む夫にはクローゼットの余裕がなく申し訳ないのですが、自分で着物の整理整頓ができなくなるまで、愉まさせてもらえたらと思います。
着物は母から譲り受けたもの、日本の里帰りの際に中古着物の大型店やインターネットで買ったものなどで増えました。カナダでは友人や茶道の先輩方からいただいたり、カナダでも日系のフリーマーケットでお宝を見つけることができます。
着物仲間たちとは「沼にハマらない程度にしないといけないね」とよく話します。
和装でも洋装でも同じですが、50歳を過ぎてからは、低価格の化繊のものを5枚持つより、上質なものを1枚持ちたいようになりました。肌が敏感になったせいか、天然のものが肌触りも良く心地がいいのです。
あと、自分に似合わないものやしっくり身体に沿わないものから遠ざかり、色柄などの好みがはっきりしてきたこともあるでしょう。
「いつか着るかな。念のために取っておこう」と思っても、そのチャンスが巡ってくる可能性は年と共に少なくなっていきますから、量より質を大事にして、美を見極める目である“審美眼(しんびがん)”を養わなければと思います。
と言いつつ、素敵な着物にまた出合ってしまうと、心惹かれてしまうのですが…。
夫には諦めてもらいましょう(笑)
*今日の和の学校*Today’s Gathering
「テーブル茶道で小正月」
私のインスタグラムを見ていただけましたらお分かりかも知れませんが、年末年始は家族との休暇というより、私が仕事人になる日だと思います。
仕事と申しましても、お給金をいただく仕事ではなく、辞書に出ているように「何かを作り出す、成し遂げる行動」なのです。使命に近いでしょうか。
家族や友人に生活の中の日本文化を紹介し継承ができる日、それが「お正月」です。
他にも結婚式やお葬式など、人生の節目に自分のルーツや文化を感じることはありますが、毎年やってくるお正月を使わない手はないですね。
そして、女の正月と昔から呼ばれています、1月15日の小正月に、ゆったりとした気分で親しい友人たちと、又はおひとりでお正月を振り返るのもいいですね。
そのような時にテーブル茶道はいかがでしょうか。茶道の立礼式に似ていますが、もっと気軽にお抹茶とお菓子を愉しめます。 アフタヌーンティーの和風版で、我が家では定番の「おもてなし」となっています。
お抹茶茶碗でいただきますので、小指は立てないでくださいね。
*着物でお祝い2024*
今年も東漸寺では、二十歳のお祝いを迎えた皆さまが華やかな着物でお詣をされました。
カナダで育っても日本にルーツがあることに誇りを持っていただけたら幸いです。
「ご成人、おめでとうございます」
参照
日本の行事・暦:http://koyomigyouji.com/index.html
きもの大辞典:https://www.someoriren.jp/dictionary/index.html
晴れ着の丸昌「振袖について」:https://www.hareginomarusho.co.jp/contents/irotomesode/222/
違辞典「竜」と「龍」と「辰」の違いとは?分かりやすく解釈:違い比較辞典(chigai-hikaku.com)
テーブル茶道と立礼式の違い:https://www.youtube.com/watch?v=3snRw6hbdGc
審美眼(しんびがん):審美眼とは、きれいで価値のあるものや美しいものを見わける眼識で、これらを見極める能力のこと。 価値あるものや美しいものに多く触れながら、美に対する認識力をアップしていく。普段から美しいものや感動する作品を鑑賞することによって、本物を判断する目を肥やすことができる。
「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから。
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
13年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。
*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。
カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘+老犬1匹(昨年末、虹の向こうへ)がおり、バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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