今年で第7回を迎えるメトロバンクーバー・ジャパンボウル(Metro Vancouver Japan Bowl)が3月9日、日系文化センター・博物館で開催された。
会場にはメトロバンクーバーの高校12校から21チーム、60人が参加。1組最大3人で、日本について広範囲なクイズに挑戦した。
出題は、日本のマナーから時事問題、日加関係、その他にも文化、地理、歴史、地域、スペシャルトピックなどで、正解するには知識として知っているだけでなく漢字を含めた日本語を理解しておく必要もあるかなりレベルの高い大会となっている。
主催はJETプログラム同窓会BC&ユーコン支部(The Japan Exchange and Teaching Alumni Association of British Columbia & Yukon:JETAABC)。
今年の優勝はLARGE FRIES 、21チームの頂点に
決勝へ進むチームが発表された瞬間、大きな歓喜の声が上がった。決勝で戦えるのは3チーム。今年はEbi、LARGE FRIES、Point Grey Houndsが勝ち抜いた。
緊迫した雰囲気の中で行われた決勝は一進一退。全問終了すると2チームが同点ということで追加問題が出題されたほどの接戦となった。
そして順位発表。3位から順に、Point Grey Hounds、Ebiと発表され、そのたびに大きな歓声が上がった。優勝はLARGE FRIES。21チームの頂点に立った。
在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事は、昨年に続き大会に出席して「今年もカナダの若者が日本について多くの項目ですばらしい知識を発揮してくれたことをうれしく思います」とあいさつ。「この大会を通じて若者の日本への興味がカナダと日本との関係をより深くしてくれることと思います」と将来の日加の架け橋に期待した。
優勝したLARGE FRIESのGabriel Silladorさん、Alex Mengさん、Kevin Liさんは、自分たちが優勝するとは思わなかったと興奮気味。最後2チームが同点で順位決定の追加問題があると聞いたときは「1位と2位を決めるためだと思った」と3人が笑顔を見せた。
Silladorさんは今大会のために「ゆっくりと(昨年の)9月とか10月くらいから(準備を)始めて、2月、3月に真剣に取り組みました」と振り返った。Liさんは今回が3回目の参加。「だから大体どういう問題が出るかは見当がつきました」とちょっと余裕を見せたが、前週末にはバンクーバー総領事館主催の弁論大会に出場していて時間がなく、「(主催者が)ガイドをくれるので大事だなと思う情報を見つけて使えるなと思えるところを集中的に準備しました」。Mengさんが「大体1カ月くらい前から準備して、全ての情報を集めて毎日勉強しました」と話すと、Liさんは「僕のノートを繰り返し復習したのはすごく役に立ちました」と言って3人で笑った。
JETプログラム同窓会BC&ユーコン支部がボランティアで支えるジャパンボウル
高校生を対象としたクイズ大会「ジャパンボウル」はJapan-America Society of Washington DCが1992年に日本語での大会形式を創設したのが始まり。今では世界各地で開催されている。
BC州ではメトロバンクーバー大会としてバーナビー市の日系センターで毎年開催。新型コロナウイルス禍ではオンラインで開催したこともあったが今年で7回目となる。主催はJETAABCで、会員がボランティアで開催している。
大会実行メンバーの一人Rachel Davidsonさんによると今年は新しく3校が参加したという。参加校もメトロバンクーバー各地に広がり、ラングレーやポートムーディ、オンライン校からも参加した。
大会に参加する高校生も大変だが、運営側の準備もまた大変となる。「問題は毎年出題されるコアカテゴリーと3年に1回出題されるトピックがあります。そうすることで参加生徒が同じトピックに当たらないようになっています。今年は鉄道やビデオゲームなどのトピックがありました」。これらは配布される「Study Guide」に記載されている。「出題問題は、(大会運営)ボランティアでアイデアを出し合って、参加者全員に公平で挑戦的な問題になるように努めています」と高校生たちが楽しんで参加できるようにこれからも取り組んでいく。
メトロバンクーバー・ジャパンボウル2024年順位
優勝:LARGE FRIES(リッチモンド市R.A. McMath Secondary)
2位:Ebi(バンクーバー市Eric Hamber Secondary)
3位:Point Grey Hounds(バンクーバー市Point Grey Secondary)
(取材 三島直美)