昨年は雨に降られたさくらデイズ・ジャパンフェア、今年は4月13日、14日とも初夏を思わせる快晴となった。Vancouver Cherry Blossom Festival(VCBF)の一環として毎年バンデューセン植物園で開催されるジャパンフェアは年々人気が高まり、バンクーバー市民にとって欠かせないイベントとなっている。
今年はベンダー数が79、来場者数は15,000人を超え過去最大規模となった。植物園内には、日本の文化に関連するフードやクラフトブース、体験スペースが並び、ステージでは和太鼓奏者金刺敬大さんと三味線奏者はなわちえさん、佐藤派糸東流空手、さくらシンガーズ、APPARE Yosakoi Vancouver、Wailele Wai Waiなど、39グループによるパフォーマンスが披露され、大いに盛り上がった。
たくさんの来場者が太陽の日差しで照らされる満開の八重桜を楽しみながら、フードや音楽、ダンスなどを通して日本の文化を堪能する2日間となった。
第14回を迎え、成長し続けるさくらデイズ・ジャパンフェア
第1回は2009年。2010年のバンクーバー・オリンピック/パラリンピック開催と2020年の新型コロナウイルス感染拡大で2回中止となったが、2021年のオンライン開催を含めて、今年は14回目となる。
第1回からジャパンフェア実行委員会委員長を務める塚本隆志さんは「ベンダー数が多いので、園内だけでなく駐車場も使っているところが今までにないところです。実行委員会委員長として辛いことも多いですが、その分終わった時に達成感があります。年々大きくなっていることも、やりがいになっています。最後に皆さんから『良かったですね』と言っていただけることが一番うれしいですね」と笑顔を見せた。
日本文化を体験できる日本酒試飲ブースや浴衣レンタルが大人気
BC州日本酒協会が主催する日本酒試飲ブースでは6社が参加、16銘柄を小さなカップで飲み比べでき、日本酒を味わうカップルやグループの笑い声であふれていた。
BC州日本酒協会メンバーのちぐさポペルさんは「毎年出ているのですが本当に盛況です。初心者の方からお酒のことをよく知っている方までいらっしゃいます。最初のステップとしてはすごくいいと思います。日本酒ってハードルが高くて1本何十ドルとするし、それよりは色々試してお話をして、まず認知してもらう。BC州日本酒協会自体が、お酒の窓口を広げるということを目的でできたので、こういうイベントはすごく助かります」と笑った。
毎年子どもたちに人気の建友会による風車制作体験ブースでは、心地よい風が吹くたびにクルクルと回る風車の展示が目を引き、親子連れでにぎわっていた。建友会会長松原昌輝さんは「今年は天気がすごく良いので、いつもよりも早いペースで風車の枚数が減っています。また建友会の会員が作ったコースターやウッドクラフトも販売していて、結構売れています。さらに風車を作った子どもたちがドネーションをしてくれていて、今年は能登半島地震被災者の皆さんへの寄付を考えています」と話した。
毎年大人気なのは浴衣レンタルも同じ。レンタルスペースは長蛇の列をなしていた。家族全員で浴衣を着て楽しむBhimsen Timslsinaさんは「すばらしい体験です。バンクーバーアイランドからこのフェスティバルのためにやってきました。とても楽しんでいます」と満足そうだった。
和太鼓と三味線で圧巻のパフォーマンスを披露
和太鼓奏者金刺敬大さんと三味線奏者はなわちえさんが披露した力強いパフォーマンスに、来場者たちの歓声が止まなかった。
演奏後、はなわさんは「たくさんの人がいて、天気もすごく良くて風も心地がよかったです。さらにお客様の表情も見えて、皆さん楽しそうにされていたので、弾いていて気持ちよかったです」と笑顔で答えた。
今年で5回目のパフォーマンスとなった金刺敬大さんは「2日間ともこんなにも晴れたのは久しぶり。ピクニックをしながらすごくたくさんの人が見てくれていたので、いつも以上に自分の中でも盛り上がりましたね」とうれしそうだった。
フードコーナーも大盛況で、テーブルや芝生で食事やドリンクを楽しむ来場者であふれ、植物園内はにぎかな笑い声と平和的な雰囲気に包まれていた。
(取材 古川紋)
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