「ナコダ(正式名称ベア178)」と呼ばれて親しまれた白いメスのグリズリーベアが、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ヨーホー国立公園で死亡した。交通事故だった。
カナダ国立公園を管理するパークスカナダによると事故が起きたのは6月6日。カナダを横断する高速道路トランスカナダ・ハイウェイのレイク・オハラ出口近くで、ナコダは列車に驚いて道路に飛び出したという。道路上にいた車2台のうち、1台目は避けられたが、後ろにいた2台目の車は間に合わずナコダと衝突した。
事故後、ナコダはハイウェイのフェンスをよじ登り、軽く足を引きずりながら道路から離れたところを当局職員が目撃したという。野生のクマは大ケガを負っても回復することがよくあるため当局はそのままナコダの様子を見ることに。しかし6月8日にナコダのGPS首輪からシグナルが送られ死亡が確認された。
ナコダには子ども2頭がいたが、6月6日ナコダの事故に先立ち別の交通事故に遭って死亡したという。
パークスカナダによると、ナコダはタンポポを食べるために道路脇のくぼみによく出てきていた。そのため人間との接触が多く道路脇にいることに「慣れすぎていた」という。「人に慣れたクマは良くない結果にいたることが多い」とし、国立公園を訪れた人々に、野生動物を見るために車を止めないこと、運転には注意を払いスピード制限を守ることを勧告している。
(記事 編集部)
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