カリブー保護でクリンシーザ州立公園を拡張、州最大の州立公園に

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は、州北東部にあるクリンシーザ州立公園を拡張し、カリブーなどの動物の保護区を設置すると6月14日に発表した。保護区は約2,000平方キロメートルで州内最大の州立公園となる。

 これは2020年に提携された、2つの先住民族ソールトー・ファーストネーションとウエストモバーリー・ファーストネーション、BC州政府、そしてカナダ政府のパートナーシップに基づくもの。四者はサザンマウンテン・カリブーの保護で合意した。クリンシーザ州立公園はBC州チェトウインドの西にあり、バンクーバーから1,100キロ北に位置している。

 BC州内のカリブーは20世紀になって約55パーセント減少、サザンマウンテン・カリブーの個体数は4,000頭を下回る事態となった。原因は主に人間の生息地攪乱による捕食動物の増加だという。しかし、妊娠したメスのカリブーの保護や生息地環境の回復、オオカミなど捕食動物の管理といった政策が功を奏し、カリブーの数は増加。2013年には36だったクリンシーザのカリブーの群れ数は現在138となっている。

 公園の拡張は、フィッシャー、カワマス、グリズリーベアなど他の動物の保護のほか、先住民の宗教的、文化的に重要な場所の保存も目的としている。

(記事 編集部)

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