カナダ統計局が6月25日に発表した5月のインフレ率は前年同月比で2.9%上昇し、4月の2.7%上昇を上回った。
統計局によると要因は主にサービス価格の上昇で、4月の4.2%に続き、5月は4.6%上昇した。サービス価格の上昇を牽引したのは、携帯電話サービス、旅行ツアー、家賃、航空運賃。財価格1.0%の上昇は4月と同じ伸び率だった。
サービス価格の中でも、前年同月比で旅行ツアーが6.9%、航空運賃4.5%と速いペースで上昇。前年同月比で上昇した理由としては、前月比で価格が高騰したためで、旅行ツアーは10.4%、航空運賃は2.3%上昇し、いずれも米国行きが中心だった。
店舗で購入する食品価格は、4月の1.4%に続き、5月も前年同月比で1.5%上昇した。食品価格が上昇したのは2023年6月以来。ただ食料品の価格は依然として高止まりしており、2020年5月と比較すると22.5%上昇している。
カナダ中央銀行は6月5日に金利を0.25%引き下げて4.75%とした。理由として「基調的なインフレが緩和していることが引き続き確認されたため、理事会は金融政策がもはやそれほど制限的である必要はないとの見解で一致し、政策金利を25ベーシスポイント引き下げた」とした。
ただ、5月はインフレ率が上昇、2%の目標から離れる形となった。中央銀行の次の発表は7月24日。6月のインフレ率が発表後の中央銀行の動きが注目される。
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