フランスで開催されているパリ五輪のサッカー女子カナダ代表が7月25日に初戦ニュージーランドに2-1の逆転勝利を収めた。東京五輪で金メダルのカナダ代表は連覇に向けて好発進と行きたいところだが、ドローン偵察問題が暗い影を落としている。
カナダオリンピック協会(COC)は7月24日付(パリ現地時間)に声明を発表。「7月22日にニュージーランド・サッカー協会からの苦情を受けて、カナダ代表の非認定スタッフがサンテティエンヌでフランス当局に拘束されたことを知らされた」と公表、スタッフはドローンを使ってニュージーランドチームの練習を録画していたとみられると説明した。この時はニュージーランド代表に謝罪したとしただけだった。
しかし翌日には、22日だけでなく19日にも偵察していたことを把握したとして、関係した2人、非認定スタッフのジョセフ・ロンバルニさんとロンバルニさんが偵察結果を報告するアシスタントコーチのジャスミン・マンダーさんを追放し、カナダへ帰国させると発表した。またベブ・プリーストマン監督が最終的な責任は自分にあるとして初戦のニュージーランド戦では指揮を執らないと決めたという監督の意向をCOCが受け入れたとして、初戦はアシスタントコーチが指揮を執った。
ところが7月26日にはCOCが、カナダサッカー協会がプリーストマン監督を資格停止処分としたためオリンピックチームから解任したと発表。女子チームはスペンス・アシスタントコーチが指揮を執る。COCはカナダサッカー協会ケビン・ブルーCEOのコメントを発表。ドローン偵察について新たに受け取った情報からプリーストマン監督を解任する結論に至ったと説明した。
ドローン偵察についてはCOCだけでなく、国際サッカー連盟(FIFA)も調査を行う。
元スタッフが衝撃告白、ドローン偵察は過去にも
パリ五輪での偵察事件でも衝撃が走ったカナダサッカー協会だが、7月25日、カナダのスポーツ専門チャンネルTSN電子版が過去にもドローン偵察をしていたと語る元スタッフの証言を掲載した。TSNによると女子だけではなく、男子チームも行っていたという。
TSNへの情報提供者は、女子チームのスタッフは2021年の東京五輪でもドローン偵察を行い、日本代表の練習も偵察したと証言している。
記事では、カナダサッカー協会が今回のパリ五輪だけでなく男女代表チームの過去の行いが正しかったかについても調査して公表すると語ったと伝えている。
(記事 編集部)
合わせて読みたい関連記事