バンクーバー市、新築住宅へのガス暖房設備設置を許可へ

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市は新築住宅の暖房設備や給湯に天然ガスを利用することをこれまで条例で禁じていたが、7月23日バンクーバー市議会はこの条例の廃止を決定した。

 採決ではバンクーバー市ケン・シム市長を含む市議6人が賛成の6対5で可決した。条例の廃止を提案したブライアン・モンテギュー議員(ABCバンクーバー)は、中所得者層向け住宅や集合住宅建設への壁を減らし住宅価格を下げるのが目的とし、暖房や給湯の選択肢を増やすためでもあると声明で述べている。

 CBCニュース電子版によると、ABCバンクーバーでもピーター・メイズナー議員、リサ・ドミナート議員は反対に回った。バンクーバー・グリーン党所属の市議と環境保護団体はこの動きを激しく非難している。

 ピート・フライ市議(バンクーバー・グリーン党)は「全てが電化に向かっている流れの中で(条例廃止は)大きな後退だ」と話している。

 非営利団体スタンド・アースのシニア・キャンペーン・ディレクター、リズ・マクドウェル氏は屋内での天然ガス利用は多大な二酸化炭素を排出すると指摘する。また今回の提案はガス業界のロビー活動の結果ではないかとも。モンテギュー議員はマクドウェル氏の指摘を否定している。

 バンクーバー市の報告によると、同市は2030年までに温室効果ガス排出量を50%減らすことを目標に掲げているが実現は難しいという。

(記事 編集部)

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