カナダ中央銀行は7月24日、政策金利を0.25%引き下げ4.5%とすると発表した。カナダ銀行の利下げは6月に続いて今年2回目。
利下げした理由について、3点を考慮したと説明。「第1に、金融政策が幅広い物価上昇圧力を緩和するために機能している。第2に、経済が供給過剰にあり、労働市場に余剰があるため、インフレ圧力を生じさせることなく経済が成長する余地が広がっている。第3に、インフレ率が2%目標に近づくにつれて、インフレ率が予想より高くなるリスクと、経済とインフレ率が予想より弱くなるリスクとのバランスが重要になっている」としている。
さらに「今後、インフレはさらに緩やかになると予想されるが、来年にかけての進展は一様ではないだろう」と予測。今後の金利については、「もしインフレ率が我々の予想とほぼ一致して緩和を続ければ、政策金利のさらなる引き下げを予測するのは合理的である」とさらなる金利引き下げもありえることを示唆した。
カナダ統計局が発表したインフレ率は、5月に上昇した後、6月は2.7%と緩やかになり、広範なインフレ圧力は緩和していると説明。
カナダ経済については、「人口が3%程度と堅調に増加しているため、経済の潜在生産高はGDPを上回るペースで成長している。ただ、個人消費と住宅消費を含む家計支出は低迷し、労働市場にも停滞の兆しがある。失業率は6.4%に上昇し、雇用は労働力人口より緩やかな伸びを続け、求職者は仕事を見つけるのに時間がかかっている」と分析。
GDP(国内総生産)成長率については、2024年は1.2%、2025年2.1%、2026年2.4%と予測。2025年から2026年にかけては、景気回復により過剰供給が徐々に吸収されていくだろうと説明している。
次回の発表は9月4日。
(記事 編集部)
合わせて読みたい関連記事