BC州のリンゴ、冷蔵施設がなく廃棄の危機に

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で収穫期が近づいているガラ(リンゴの品種)が危機に直面している。収穫したリンゴを冷蔵保存する設備がないという。

 BCツリーフルーツ生産者協会によると生産者たちはBCツリーフルーツ協同組合から冷蔵設備の提供を受けていたという。ところが同組合が今年7月に突然閉鎖。極端に少ない果物の生産量と厳しい市場の状況を受けた決断と説明している。

 BC州パム・アレクシス農業大臣は組合閉鎖後に作られた緊急グループが早急に案を出すと述べたが、同時に組合の損失を埋めるフルーツパッケージ業者はほかにも充分にいるとの見解を示していた。

 これに対し野党議員や業界関係者は政府に介入を求めていた。組合の施設、とりわけ冷蔵保存設備を確保して使用可能にしてほしいと言う。冷蔵設備があればリンゴを10カ月間保存することができると訴える。

 同協会ピーター・シモンセン氏によると冷蔵設備がなければ生産者は収穫したリンゴを9月と10月に売り切らなければならない。そうするとリンゴの価格が下がるため生産者は収穫する意味がなくなり、リンゴ園に「腐ったリンゴのカーペットができる」と懸念を示している。

 同大臣は組合の解散が裁判手続きに入っているため、政府が組合の設備を取得するのは難しいと発表。一方で8月13日には果樹生産者を援助するための支援策を発表した。

(記事 編集部)

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