メトロバンクーバーのハンディキャップ用小型バス運転手がストへ

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州メトロバンクーバーで障害者などを対象に自宅から目的地までの送迎サービスを行う小型バス、ハンディダートの運転手らを含むスタッフが9月3日からストライキを実施することが8月29日に分かった。

 メトロバンクーバーの公共交通機関を管理運営するトランスリンクと契約しているハンディダートを運行するフランス企業トランスデヴと、労働者約600人を代表する組合アマルガメイティッド・トランジット・ユニオン(ATU)ローカル1724は、数カ月にわたって労使交渉を続けていた。しかし交渉は難航、ATUは7月から抗議活動としてユニフォーム着用や超過勤務の拒否などを行っていた。

 組合は8月25日までに暫定合意に至らなければストを決行すると発表していたが、トランスデヴが条件を提示したため一旦はストを回避した。しかし、組合員82%が提示条件を受け入れられないと反対。ATUジョー・マッキャン組合長は現時点で合意には程遠い状態だと述べていた。

 ストが行なわれても透析やがん治療の送迎など「必要不可欠なサービス」は引き続き行われる。しかし買い物やコミュニティ・センターへの送迎などはキャンセルされるという。

 組合によるとメトロバンクーバーのハンディダート運転手は、フレイザーバレー地区で同様のサービスを行う運転手と比べて16%、トランスリンクのコースト・マウンテン・バス・カンパニーのバス運転手と比べて30%も所得が低いという。そのため離職率が高く、スタッフ不足という問題が起きている。組合側はトランスリンクの介入を求めているが、現時点で介入には否定的。トランスリンクとトランスデヴとの契約は2026年半ばまでという。

 一方でトランスデヴは、2027年1月までに23%から32%という大幅な賃上げを提示していると話している。

(記事 編集部)

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