「グラッドストーン日本語学園を卒業して日本の大学へ挑戦」馬庭春香さん、チャン淳生さん

馬庭さん(左)とチャンさん。グラッドストーン日本語学園で。2024年6月22日。写真 日加トゥデイ
馬庭さん(左)とチャンさん。グラッドストーン日本語学園で。2024年6月22日。写真 日加トゥデイ

 今年5月18日に行われた第53回グラッドストーン日本語学園卒業式、馬庭春香さんとチャン淳生さんも高等科の卒業生としてみんなと一緒に日本語学校を巣立って行った。

 旅立つ先は日本の大学。馬庭さんは上智大学に、チャンさんは国際基督教大学(ICU)にそれぞれ9月から入学する。

 カナダの大学ではなく日本の大学への進学を決めた理由を、馬庭さんは、「(日系人としての)自分探しと、18年間バンクーバーだったので違う世界を見てみたいと思って」と話す。バンクーバーではフレンチ・イマージョンに通い、英語とフランス語を話し、日本語も母国語同然。それでも「日本語をもっと上達したい」と日本に決めた。

 チャンさんは、グレード10の頃から日系人としてアイデンティティを意識し始めたという。「日本人としての自分を見つけたいという思い」を強く抱くようになったと話す。そんな時ICUに興味を持ち挑戦。「受験」は試験や小論文など大変だったと笑ったが無事合格。両親や先生に感謝した。

 2人ともすでに流暢な日本語を話す。グラッドストーン日本語学園で「教科書をたくさん読んだり、漢字を練習したりしたことが役に立つかなと思っています」とチャンさん。また「友達をたくさん作ったのが一番大きな思い出です。人とのつながりを持つことが好きなので。学芸会での『大きなかぶ』も楽しかったです」。体験した日本文化や歴史を「日本に行って体験できるのが楽しみ」と言う。

 馬庭さんも4年間で「神社やお寺など歴史的なところを見る機会が増えると思っています」と新しい日本を体験できることに期待。グラッドストーンでは「たくさんの友達が作れたことや、一緒にすごい良い経験をしたことが思い出です」と話す。お互いの大学は都内で近く「いつでも連絡は取れるから」とグラッドストーンでクラスメートだった友人が近くにいることは心強いという。

 2人ともバンクーバーを離れるのは少し寂しいと言うが、東京での新しい学校生活に期待は膨らむ。

 日本の大学のイメージを聞くと2人とも「まじめで真剣で、少し怖いイメージ」とか。それでも「色々楽しいことも見つかると思うので、色々なことが楽しみでワクワクしています。勉強も遊びも全部がんばりたいと思います」と馬庭さん。チャンさんも「難しいこととか、苦労することもたくさんあると思うんですけど、自分を見失わないように毎日笑顔で過ごそうと思っています。がんばります」と笑った。

 馬庭さんとチャンさん、少しの不安と大きな期待を胸に、海の向こうでのそれぞれの大学生活に踏み出していく。

(記事 三島直美)

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