第43回バンクーバー国際映画祭(VIFF)が9月26日に開幕する。今年は4,800本の応募作品の中から選ばれたプレミア70本を含む長編作150本とショート作品81本が、バンクーバー市内の映画館で上映される。
日本映画は、日加トゥデイ・メディアパートナー作品の「Living in Two Worlds」(「ぼくが生きてる、ふたつの世界」呉美保監督)をはじめ、シンガーソングライターの石橋英子さんが来加し、濱口竜介監督とのサイレント映画「GIFT」をVIFF Liveで披露する。
今年もVIFFで上映される日本映画を紹介する。
「ぼくが生きてる、ふたつの世界(英題:Living in Two Worlds)」日加トゥデイ・メディアパートナー作品
国内外から高く評価されてきた呉美保監督が9年ぶりに手がけた長編映画。耳が不自由な両親のもとで育った息子五十嵐大(吉沢亮)の成長に伴う葛藤や親子の絆を描いたストーリー。原作は作家・エッセイストの五十嵐大氏自身による「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎)。
母役は日本最初のろう者主演俳優として活躍する忍足亜希子、父役は数々の舞台作品に出演する今井彰人が演じる。そのほか、ろう者の登場人物には全てろう者の俳優を起用。共演は他にユースケ・サンタマリア、烏丸せつこらなど。
バンクーバー国際映画祭パノラマ部門正式出品作品。https://viff.org/whats-on/viff24-living-in-two-worlds
「GIFT」
ライブパフォーマンスが行われるVIFF Liveシリーズでは、音と映像の最先端で活躍するアーティストたちが集結。日本からはシンガーソングライターの石橋英子さんが来加し、2022年にアカデミー賞国際長編映画賞を獲得した「ドライブ・マイ・カー」でタッグを組んだ濱口竜介監督の「GIFT」で石橋ワールドを披露する。
本作品は濱口のサイレント映像と石橋のライブサウンドトラックで作られている。8月28日にバンクーバー市で行われたプレスコンファレンスにでも「すばらしいコラボ」と紹介されるほど注目されている。
https://viff.org/whats-on/gift-hamaguchi-ishibashi-live
「Super Happy Forever」
幼馴染の佐野と宮田は2人で伊豆を訪れる。そこは、佐野が5年前に亡くなった妻・凪と初めて出会い、恋に落ちた場所。二人は凪の影を追うように思い出の地を巡る。
世界が注目する五十嵐耕平監督による長編最新作で、日本映画初となる第81回ベネチア国際映画祭ベニス・デイズ部門でオープニングを飾った作品。
「泳ぎすぎた夜」で共同監督を務めたDamien Manivelもプロデューサーとして参加し、日仏合作映画として製作された。「青春期の終わり」を迎えた人々の奇跡のようなひとときを描いている。
バンクーバー国際映画祭パノラマ部門正式出品作品。https://viff.org/whats-on/viff24-super-happy-forever
「 HAPPYEND(英題:Happyend)」
ありえるかもしれない未来を舞台に、高校生の友情の揺れ動きや葛藤、そしてテクノ音楽が融合したクリエイティブかつ力強い作品。コンサートドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」で世界の映画祭から注目された空音央監督による初のドラマ映画。
2024年第81回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門出品作品、トロント国際映画祭では北米プレミアとしても上映された。
https://viff.org/whats-on/viff24-happyend
「Viva Niki タロット・ガーデンへの道(英題:Viva Niki – The Spirit of Niki de Saint Phalle)」
フランスを代表するフェミニスト・アーティスト「ニキ・ド・サンファル」の人生と作品を追ったドキュメンタリー。世界で活躍する女性アーティストを撮り続けてきた写真家松本路子が映画初監督を務める。ナレーションを担当したのは歌手で俳優の小泉今日子、エンディング曲でも上田ケンジとのユニット「黒猫同盟」として参加している。
ニキの集大成としてイタリア・トスカーナに制作した彫刻庭園「タロット・ガーデン」。1981年からニキと10年以上にわたり交流してきた松本路子自身がその庭園を訪れ、ニキが歩んだ道を辿る。
https://viff.org/whats-on/viff24-viva-niki
「The Chef & the Daruma」
36年にわたり数多くの著名人から愛されてきたバンクーバー市にあるレストラン「Tojo’s restaurant」のオーナー東條英員氏の活動を追いかけたドキュメンタリー。Mads K. Baekkevold監督初の長編作品。東條氏はカナダでの日本料理のパイオニアで、カリフォルニアロールの生みの親としても知られている。VIFFでの上映が世界初公開。
https://viff.org/whats-on/viff24-the-chef-the-daruma
「あめだま(英題:Magic Candies)」
韓国の絵本作家ペク・ヒナの「魔法のキャンディー」を原作とした短編アニメーション。「ニューヨーク国際こども映画祭2024」の短編アニメーション審査委員最優秀賞作品。コミュニケーションをとるのが苦手な少年ドンドンが不思議な「あめだま」の力を通じて、他人の心を理解し、自身の気持ちを伝えることができるようになるまでを描いている。監督はドラゴンボールなどを手掛けてきた西尾大介。カナディアン・プレミア作品
https://viff.org/whats-on/viff24-magic-candies
「Colors Under the Streetlights」
深夜にガールズバーのキャストを乗せ、夜の街を走るドライバーのユリカを主人公にした、東京の夜を生きる女性たちを描いたショートムービー。
監督・脚本は「ドーナツもり」の定谷美海。
https://viff.org/whats-on/viff24-colors-under-streetlights
「My Dog is Dead / 私の犬が死んだ」
家族の犬が亡くなったと知り、犬を飼っている人の気持ちが分からないボーイフレンド・ヨシキと一緒にリコが実家を訪ねる物語。家族や喪失、悲しみを静かに描き出す感動的なショートムービー。松永侑と千田丈博の共同監督作品。
https://viff.org/whats-on/viff24-my-dog-is-dead
Vancouver International Film Festival 2024
期間:2024年9月26日~10月6日
チケット:一般19ドル、シニア17ドル、学生14ドル。6枚、10枚のチケットパックもあり
上映時間やチケット情報はバンクーバー国際映画祭ウェブサイトを参照。https://viff.org/festival/viff-2024
(記事 田上 麻里亜)
バンクーバー国際映画祭チケットプレゼントのお知らせ
日加トゥデイがメディアパートナーの「Living in Two Worlds」(「ぼくが生きてる、ふたつの世界」呉美保監督)を10名に、好きな映画を選べる一般チケットを10名に、プレゼントします。
希望の方は、件名に「Living in Two Worlds」希望、一般チケット希望と、どちらかを明記して、promo@japancanadatoday.caまでご応募ください。締め切りは9月23日(月)正午となります。
抽選の上、当選者には直接メールで連絡いたします。
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