ホワイトキャップス、プレーオフ進出もシアトルに痛い黒星

 バンクーバー・ホワイトキャップスは10月2日、BCプレースに宿敵シアトル・サウンダーズFCを迎えた。2年連続のカスケディアカップ優勝もかかる大事な試合。しかし、厳しい戦いを強いられた。

サウンダーズの選手がシュートを止めたGK高丘に迫る。2024年10月2日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
サウンダーズの選手がシュートを止めたGK高丘に迫る。2024年10月2日、BCプレース。Photo by Koichi Saito

10月2日(BCプレース:17,362)
バンクーバー・ホワイトキャップス 0-3 シアトル・サウンダーズFC

 試合は序盤、ホワイトキャップスが主導権を握る形で始まった。得点チャンスは作るが、最後の局面で相手に阻まれる場面が続く。そして前半14分、相手のコーナーキックからの攻撃を守り切れず、先制点を許した。
 後半に入ってもホワイトキャップスは積極的な攻撃を見せた。しかしサウンダーズの守備に阻まれ得点につながらない。逆に65分にPKを取られ2点目を、さらにその数分後に3点目を奪われ、試合が決まった。
 GK高丘陽平は試合終了15分前にJordan Morrisのシュートを阻止するセーブを見せたものの、ホワイトキャップスは最後まで反撃の糸口を掴むことができなかった。

過密スケジュールで疲労がたまる

 試合後の会見でVanni Sartini監督は珍しく疲れた表情を見せていた。「チームはエネルギーがなかった」と開口一番。試合序盤からうまくいかない状況が続き、何度か得点チャンスはあったが「緊張感を持った密な攻撃ができなかった」と振り返った。小さなミスの積み重ねが多かったが「今後の教訓にしたい」とも語った。

 過密スケジュールが選手のパフォーマンスに影響したとも。この日はシアトルとの大事な一戦にもかかわらずベストメンバーと言える布陣ではなかった。監督は「この2週間でかなり疲れていた選手も中にはいて、そうしたこともこの日のチーム状況に影響した」と語った。

 ホワイトキャップスは、9月に入って6試合を戦い、9月18日以降はこの日を含めてレギュラーシーズン4試合、カナディアンチャンピオンシップ決勝と、2週間で5試合をこなしている。

 この試合でキャプテンを務めたRanko Veselinović(DF)は、試合後の会見で敗因として過密スケジュールによるエネルギー不足ついて聞かれ、「多くの試合が続いていて厳しいスケジュールだが、それ以上に大事なのはメンタルの部分。今夜はパフォーマンスが良くなかったので、チームとして、個人として、何ができるか話し合って、今週土曜のミネソタ戦に向けて改善策を見つけたい。ファンの応援は大きな力になるので、土曜もサポートを期待しています」と述べた。

試合後、Vanni監督に肩を抱かれてピッチを後にするGK高丘。2024年10月2日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
試合後、Vanni監督に肩を抱かれてピッチを後にするGK高丘。2024年10月2日、BCプレース。Photo by Koichi Saito

 GK高丘はホワイトキャップスに入団して初めて、この日は試合後インタビューに姿を見せなかった。

プレーオフ進出決定

 この日サウンダーズに敗れはしたものの、ホワイトキャップスは前節9月28日のポートランド・ティンバーズに1-1で引き分けて、今季のプレーオフ進出を決めた。キャップスは前半3分にBrian White(FW)がゴールを決めて先制。前半終了間際に同点に追いつかれたものの、後半は無失点に抑え引き分けた。

 ティンバーズは、サウンダーズと共にカスケディアカップを争うライバル。ホワイトキャップスがサウンダーズに敗れたため、カップの行方はサウンダーズ対ティンバーズの結果に次第となった。

FW・WhiteとグータッチするGK高丘。2024年9月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
FW・WhiteとグータッチするGK高丘。2024年9月28日、BCプレース。Photo by Koichi Saito

 ただ西カンファレンス4位以内を目指すホワイトキャップスにとって、ここで満足するわけにはいかない。サウンダーズに負け、勝ち点47で順位を7位に落とし、4位とのポイント差は6点となった。

 レギュラーシーズンは残り3試合、そのうち2試合はホームゲーム。ホワイトキャップスは今週土曜に8位ミネソタ・ユナイテッドFCを迎え、ホームで重要な一戦に挑む。

10月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

10月5日(土)4:30pm ミネソタ・ユナイテッドFC戦
10月13日(日)4:30pm LAFC戦

(取材 佐々岡沙樹/写真 斉藤光一)

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