カナダ中央銀行は10月23日、政策金利を0.5%引き下げ、3.75%としたと発表した。ティフ・マッカレム総裁は、「インフレ率が目標値である2%に戻ったことを受けてより大きな決断をした。今後も目標値内を維持していく」と声明を発表した。
カナダ統計局が10月15日に発表した9月のインフレ率は前年同月比で1.6%。8月の2%からさらに鈍化している。牽引したのはガソリン価格で10.7%下落。ガソリン価格を除いた9月のインフレ率は2.2%だった。ちなみに食料品は2.4%上昇している。
中央銀行は「ここ数カ月、インフレ率は6月の2.7%から9月の1.6%へと大幅に低下。最近の指標によると、10月のインフレ率は2%前後となる見込みで、物価上昇圧力はもはや広範なものではなくなり、コア・インフレ率も2.5%未満となった。また調査では、企業と消費者のインフレ期待は低下し、平常に近づいている。これらはすべて、低インフレに戻ったことを示唆している」と引き下げた理由を説明している。
2023年7月に5%まで引き上げた政策金利を中央銀行は2024年6月に0.25%引き下げてから、同年7月に0.25%、9月に0.25%、そして今月と4回連続で引き下げている。
今後について「追加利下げのタイミングとペースは、今後の情報と、それがインフレ見通しに与える影響の評価次第。金融政策は一度に一つずつ決定していく」としている。
次回の発表は12月11日。それまでに8月のGDP、10月のインフレ率、10月の雇用統計が統計局から発表される。
(記事 編集部)
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