負ければプレーオフ敗退が決まる絶対負けられない一戦をホームで迎えたバンクーバー・ホワイトキャップスが快勝した。LAFCとのMLSプレーオフ第1ラウンド第2戦。これで対戦成績は1勝1敗、西カンファレンス準決勝進出への決着をLAでの第3戦へ持ち込んだ。
11月3日(BCプレース:20,695)
バンクーバー・ホワイトキャップス 3-0 LAFC
ホワイトキャップスは開始10分にキャプテンGauldが決め先制点を取った。続いて3分後にはGauldが放ったシュートをLAのHollingsheadがオウンゴールで2-0。13分で2点をリードした。後半はLAの猛攻もGK高丘とディフェンス陣の堅い守りで無失点に抑え、68分にはまた相手オウンゴールでダメ押しとなった。
GK高丘のスーパーセーブで勝ちを呼び込む
前半に良い形で2点先取したホワイトキャップスだったが、後半はLAFCの猛攻に防戦を強いられた。その中でGK高丘のセーブが勝敗を分けたと言っても過言ではない。60分には1対1場面で相手の放ったシュートは前に出てきた高丘の左肩に当たって弾かれた。ここで1点入っていれば2-1。展開はどうなっていたか分からない。67分にも連続で放つLAのシュートを冷静な判断で止めた。
高丘は「ほんとにそこが勝負の分かれ目になると思っていました」と振り返った。「その瞬間、瞬間で、ボールに集中することもそうですけど、それ以外の状況をしっかり把握しながら理解しながらプレーすることを意識していました。きょうはそれがある程度クリアに見えていたと思いますし、色々なものがうまく運べたゲームかなと思います」と大事な一戦で無失点に抑えた。
チームメートがクリアしようとしたボールが頭上を越えた時も、「(ディフェンダーが)反応してボールが自分の後ろに来たんですけど、流れてきたら自分の取れるポジションでしたし、仮に(ディフェンダーが)触ってもちゃんと準備はしていたので、両方のパターンで準備していたので想定内でした」と冷静に対応。無失点の裏には常に冷静な判断があった。ディフェンス陣の守りも堅かった。チームで守り切った試合と胸を張った。
緊張した一戦に「シーズンをきょうで終わらせるわけにはいかなかった」と語った高丘。好守がガッチリとかみ合ってLAに快勝したが、ここで終わりではない。次は8日にLAで第3戦が控えている。「(プレーオフを)できるだけ長く…もちろん簡単な道のりではないですけれども、一つひとつしっかり。まずは金曜日の試合に向かって準備することが大事かなと思います」。
Vanni監督は第1戦も選手たちはよく戦ったしきょうと同じように良い試合だったが勝てなかったと語り、「下剋上は起きる。きょうはMLSカップ優勝チームが負けた。次に同じことが起きても不思議ではない。次はきょう以上に(LAFC相手に)良い試合をしないといけない」と第3戦への意欲を見せた。
高丘はホームに駆け付けたファンに向けて「きょうしっかり勝ちを届けられたのは良かった」と笑顔を見せた。シーズン後半はBCプレースで勝てない試合が続いた。事実上、この日が今季最後のホームゲームとなる。西カンファレンス首位のLAFC相手にしびれる勝ちをファンに届けて、これからアウェイでさらに上を目指して戦っていく。
(取材 三島直美/写真 斉藤光一)
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