日系リメンバランスデー式典が11月11日、今年もバンクーバー市のスタンレーパーク内日系カナダ人戦没者慰霊碑前で行われた。
この日は日系カナダ人戦没者慰霊碑の上にある灯篭が灯された。今年も司会を担当したデイビット・イワアサさんは「戦前には明りが灯されていたが、戦争中(第2次世界大戦)は消されていました。戦後また灯されるようになりましたが、きょうも灯されています」と紹介した。
日系カナダ人戦没者慰霊碑は1920年4月9日に除幕式が行われた。第1次世界大戦にカナダ兵として参加した日系カナダ人222人のうち54人が戦死。彼らの貢献に敬意を示すために日系カナダ人コミュニティが資金を集め建立した。慰霊碑には第1次世界大戦に参加した日系カナダ人の名前が刻まれている。
第2次世界大戦中に灯篭は消され、戦後再び灯ったのは1985年8月2日。第1次世界大戦でカナダ兵として戦った一人マスミ・ミツイさん(当時98歳)が式典で再点灯した。マスミ・ミツイさんの孫デイビット・ミツイさんは毎年式典で “Act of Remembrance”を担っている。
現在慰霊碑には第2次世界大戦、朝鮮戦争、アフガニスタンで命を落とした日系カナダ人の名前が刻まれている。
「平和を思う気持ちに隔たりはない」
今月着任した在バンクーバー日本国総領事館・高橋良明総領事は献花を終えて、「11月11日に必ず集まって(戦争で戦った人たちが)どのようにこの国に尽くしたのかということを広く皆が知ることは大切なことだと思いますし、非常に意義のある活動だと思います」と語った。
戦時中の日系カナダ人も平和を祈っていたであろう気持ちに思いを馳せ、「今の時代を生きる私たちはそういった平和を願っている彼らの思いを後世に伝えることが務めだと思っています」と話した。戦時中と今では時間の隔たりがあるが「平和を思う気持ちに隔たりはないと思います」とこの日に平和を願った。
式典は毎年the Japanese Canadian War Memorial Committeeと日系文化センター・博物館の協力で行われている。式典の様子は日系文化センター・博物館のウェブサイトで見ることができる。https://centre.nikkeiplace.org/events/remembrance-day-2024/
(取材 三島直美)
合わせて読みたい関連記事