大阪・関西万博のカナダ館、音楽家らパフォーマー100人超が出演へ 工事「開幕に間に合わせる」と政府代表

2025年大阪・関西万博のカナダパビリオンのイメージ(駐日カナダ大使館提供)
2025年大阪・関西万博のカナダパビリオンのイメージ(駐日カナダ大使館提供)

 カナダ政府は11月6日、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)で開催される2025年大阪・関西万博のカナダパビリオン(カナダ館)に設けるステージに、100人を超える音楽家などのカナダ人パフォーマーが出演すると発表した。万博の期間は25年4月13日から同年10月13日まで。東京都港区の駐日カナダ大使館で今年11月6日に開かれたイベントでは、ステージに登場予定の作曲家兼アーティストのメアリー・アンシェタ氏が曲「アンボイ」のピアノ演奏を披露した。

「開幕に間に合わせる」

説明するカナダ館政府代表のローリー・ピーターズ氏(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)
説明するカナダ館政府代表のローリー・ピーターズ氏(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)

 カナダ館は独自でパビリオンを出展する「タイプA」に分類される。タイプAのパビリオンでは工事の遅れが相次いでいると指摘されてきたが、カナダ館政府代表のローリー・ピーターズ氏は建設中のカナダ館については「十分に時間の余裕があり、開幕に間に合わせる」と強調。工事を迅速化するために「既存部材を再利用したり、あらかじめ造った建物の一部を日本へ運んだりして現地で組み立てる」と説明した。

 カナダ館のテーマは「再生」で、大屋根(リング)の脇の日本館に近い場所に設けられる。建物の外観は春の訪れと共に川の氷が流れ出すカナダの自然を表現し、ピーターズ氏は「館内ではカナダの人々の温かさや鷹揚さ、前向きな姿勢を感じてもらえるようにする」と紹介した。入り口に設ける「CANADA」の赤い英文字はカナダで制作し、カナダ政府は来場者が文字の前で記念写真を撮影してくれることを期待している。

国立芸術センター交響楽団も演奏

ピアノを演奏するメアリー・アンシェタ氏(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)
ピアノを演奏するメアリー・アンシェタ氏(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)

 ステージにはアンシェタさんが25年7月に登壇するほか、6月6日にカナダ人ジャズピアニストの故オスカー・ピーターソン氏の功績をたたえて国立芸術センター交響楽団などが曲を演奏する。

 7月にはカナダ人と日本人がストリートダンスのショーで共演。8月には先住民アーティストに焦点を当て、目玉の一つとしてジェレミー・ダッチャー氏が歌声を披露する。

 また、5月17日には公式参加国が独自のイベントを展開する「ナショナルデー」が開催される。ピーターズ氏は「カナダ館では春を題材にしたイベントを開催し、土曜日なので家族連れに参加してもらいたい」と語り、参加者にカナダと日本の国旗をイメージした赤と白の衣類を着るように呼びかけた。会場ではカナダ名物のメープルシロップとパンケーキを提供することも明らかにした。

駐日大使は「日加両国の協力のきずなを深める場に」と期待

イベントで話すイアン・マッケイ駐日カナダ大使(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)
イベントで話すイアン・マッケイ駐日カナダ大使(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)

 イアン・マッケイ駐日カナダ大使はカナダ館について「カナダの強みであるイノベーション、天然資源、投資、教育を紹介し、カナダと日本の両国の協力のきずなを深める場とする」と意気込んだ。

イベントであいさつする伊東良孝万博担当相(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)
イベントであいさつする伊東良孝万博担当相(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)

 伊東良孝万博担当相は、カナダ館が焦点を当てる対象の一つが先住民となることに関して「私の地元の北海道でもアイヌ民族が先住民族であり、その施策も担当している大臣として大変注目している」と語った。

 イベントには万博公式キャラクター「ミャクミャク」も駆けつけ、来場者との記念撮影に応じた。

駐日カナダ大使館で開かれた2025年大阪・関西万博に向けたイベントの登壇者らの集合写真(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)
駐日カナダ大使館で開かれた2025年大阪・関西万博に向けたイベントの登壇者らの集合写真(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館で大塚圭一郎撮影)
ミャクミャクと筆者(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館)
ミャクミャクと筆者(2024年11月6日、東京都港区の駐日カナダ大使館)

(文・写真:共同通信社経済部次長〈前ワシントン支局次長、元ニューヨーク支局特派員〉・日加トゥデイ連載コラム「カナダ“乗り鉄”の旅」執筆者 大塚 圭一郎)

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