カナダポスト労働組合がストライキに突入、郵便物の収集配達が停止

 カナダの郵便収集配達が全面停止した。11月15日からカナダの郵便事業を担うカナダポストの労働組合カナディアン・ユニオン・オブ・ポスタル・ワーカーズ(CUPW)がストライキに入った。

 労働組合は今月12日にストライキ前72時間通告を出していたが、ギリギリまで交渉は行われ、ストライキ回避の可能性もあった。

 しかしカナダポストが提示した「4年で11.5%の給与引き上げ、年金の保証、仕事の保証、福利厚生」などの条件にCUPWはそれでは不十分だとしている。組合は「カナダポストは我々が抱える新たな未解決の問題を解決する意思を示す必要がある」と声明で発表した。

 連邦政府スティーブン・マッキノン労働大臣は15日午前中にケベック州モントリオール市で記者団に「政府介入の予定はない」と語った。ストライキに入る前に、連邦調停和解サービス(Federal Mediation and Conciliation Services)の事務局長を特別調停人として任命したという。

 CUPWはカナダポストで働く約55,000人を代表する労働組合。来秋には連邦選挙も控えている。

 ブラック・フライデーやクリスマス商戦の真っただ中で、郵便事業の完全停止はビジネスや国民に大きな影響を与える。11月12日には政府介入でようやくバンクーバー港やモントリオール港の施設封鎖による操業停止が解除され、港からの積荷が動き出したばかり。

 カナダポストは15日に声明を発表。「ストライキ期間中は郵便物や小包の処理・配達は行われず、一部の郵便局は閉鎖される。すでに投函された品目についても影響は避けられず、新規の品目は受け付けていない」としている。

 ただし、カナダ児童手当(Canada Child Benefit)、老齢年金(Old Age Security)、カナダ年金(Canada Pension Plan)など、給付小切手はスト期間中も配達される。

 両者は引き続き交渉を続けている。

(記事 編集部)

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