アメリカ、カナダへの関税25%を明日から開始か?

 アメリカのトランプ大統領は1月31日の会見で、カナダへの関税25%を予告通り2月1日から開始すると語った。カナダに関税を止める方法はあるかと聞かれ「何にもない。現時点ではノーだ」と答えた。

 ホワイトハウスのキャロライン・リーヴィット報道官は「大統領は明日、メキシコに25%、カナダに25%、そして中国に10%の関税を課す。これらの国からのわが国への違法なフェンタニルのせいで何千万人ものアメリカ人が命を落としている」と説明した。

 トルドー首相はカナダが今後厳しい状況に直面することは間違いないと語り、連邦と地方自治体が協力して国民の不安を払しょくすると語った。

 カナダも対抗措置を取る構えを見せている。連邦政府は3段階の報復措置を計画。まずはケンタッキー・バーボンやフロリダ産オレンジジュースなど、アメリカ製品の中から少数を標的に関税をかけることから始める。次に、370億ドル相当の米国製品に対する関税が実施され、さらに必要であれば追加で1,100億ドル規模の製造業製品やその他の製品に拡大する。

 ただ関税の応酬は両国にとって良い結果はもたらさない。カナダ商工会議所によると、カナダへの関税25%はカナダのGDPを2.6%縮小し、カナダ国民一人当たり年間1,900ドルもの支出増になるという。一方アメリカのGDPも1.6%押し下げ、アメリカ国民一人当たり1,300ドルの支出増となると試算している。

 カナダとアメリカは、毎日36億ドル相当の製品やサービスが国境を越え、貿易関係は年間1.3兆ドルにも及ぶ。カナダにとってアメリカが最大貿易輸出国であるだけでなく、アメリカにとってもカナダは最大貿易輸出国でアメリカ国内の雇用を支えている。カナダへの輸出に関わるアメリカの雇用は140万件、アメリカへの輸出に関わるカナダの雇用は230万件となっている。

(記事 編集部)

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