トルドー首相、アメリカのカナダへの関税25%が30日間延期と発表

 アメリカ・トランプ大統領が2月4日にも実施すると発表していたカナダへの関税25%が30日間延期されることが分かった。2月3日午後にジャスティン・トルドー首相が自身のSNSで発表した。

 首相はトランプ大統領と電話会談を行い、カナダとアメリカ国境の警備を強化することで合意したと発表。犯罪組織やフェンタニルなどの流れを止めるための措置を取ることを明らかにした。トランプ大統領は関税の理由として違法薬物フェンタニルや不法移民がカナダから流入することを挙げていた。

 トランプ大統領が2月1日からカナダに関税25%を課すと発表して以降、カナダではトルドー首相が2段階の報復措置を発表。2月2日にはカナダが関税25%を課すアメリカからの輸入品リストを公表した。食料、飲料、コスメ製品、衣料、家具、木材、自動車部品、アルコールなどリストは多岐にわたっている。第1段階では総額で300億ドル、第2段階では関税を課す輸入製品はさらに増え1250億ドル相当になると発表していた。

BC州でも酒店でアメリカからの輸入品を一時撤去

BCリカーの棚から消えた人気のアメリカ産種類。2025年2月2日。写真 読者提供
BCリカーの棚から消えた人気のアメリカ産種類。2025年2月2日。写真 読者提供

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では、州営公社BCリカーでアメリカからの輸入品が2月2日に撤去された。バーボンなどの蒸留酒を中心に撤去し、空いた棚には「カナダ製品を買おう」と書かれたパネルが置かれた。

 デイビッド・イービー州首相は2月1日にトランプ大統領のカナダへの関税25%に対抗して、直ちに「レッド州(共和党支持州)」からの酒類の購入を停止し、販売数の多い酒類を棚から撤去するよう指示すると発表していた。

 しかし、2月3日の一時的な関税回避を受け、イービー州首相は3日の会見でアメリカ製品への対抗措置を「一時停止」すると発表。BCリカーで撤去されたアメリカ産酒類は戻される。

 それでも州首相は貿易相手国の多様化と国内の州間にある障壁撤廃に向け努力していくと語った。

(記事 編集部)

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