オンタリオ州トロント・ピアソン国際空港で2月17日午後2時頃、旅客機が着陸に失敗し、機体がひっくり返る事故が起きた。
事故を起こしたのはアメリカ・ミネアポリス発トロント行きのデルタ航空4819便。ソーシャルメディアに投稿されたビデオには着陸した直後に機体から出火した様子が映し出されていた。続いて黒い煙が上がり機体は上下にひっくり返った。
カナディアン・プレスは、ピアソン空港の管制塔の音声記録によると、同機は午後2時過ぎ(東部標準時)に着陸が許可され、管制塔は前方の航空機によるグライドパス(降下経路)内での気流の乱れ「ぶつかり」が発生する可能性があることをパイロットに警告していたと伝えている。
事故当時、機内には乗客76人と乗務員4人がいたが全員無事に脱出し、死亡者はいなかった。けが人の数は、21人が病院に運ばれ19人がすでに退院したとデルタ航空が発表している。オンタリオ州救急輸送機サービス・オルンジによると、子ども1人を含む3人が重症で搬送されたという。しかしグレーター・トロント空港局デボラ・フリントCEOは18日の記者会見で、命に関わるようなけが人は出ていないと話した。
事故原因について当局は、捜査中であるとして詳細を明らかにしていない。事故機は、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスに本拠を置くデルタ航空の地域航空子会社エンデバー航空が運航するボンバルディア社製カナデア・リージョナル・ジェット(CRJ)。事故原因解明には、カナダ運輸安全委員会(TSB)とアメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)の調査員の他、三菱重工業とデルタ航空の関係者も加わることをフリントCEOが17日の会見で発表した。三菱はボンバルディア社から売却されたCRJ航空機プログラムを所有している。
空港によるとピアソン国際空港は17日午後5時には離着陸を再開している。しかし調査のために滑走路2本を閉鎖しているため運航に支障が出ている。欠航便数について空港側は明らかにしていないが、影響は今後も数日続くと見られている。バンクーバー空港でもトロント行きの便については運航状況を確認するよう呼び掛けている。
(記事 編集部)
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