オンタリオ州選挙は保守党が過半数で圧勝、東海岸州では州首相が相次いで辞任

 オンタリオ州で行われた州議員選挙で進歩保守党が圧勝し、3期連続政権を実現した。2月27日の投開票で、124議席のうち、保守党が80、NDP(新民主党)27、自由党14、グリーン党2、無所属1となる見込みとなった。

 進歩保守党ダグ・フォード党首は勝利宣言で「今回の選挙で我々は、トランプ政権を超えて長く続く、オンタリオを守るために必要なあらゆる手段を講じるための信任を求め、州民はその答えを出した」と語り、トランプ政権を意識した選挙戦で勝利したことを強調した。

 オンタリオ州では選挙は2026年5月の予定だったが、アメリカでトランプ政権が発足し、関税や「カナダをアメリカの51番目の州に」などという挑発的な言葉を連発したことを受け、結束して対アメリカ政策に臨むと進歩保守党政権が解散選挙に打って出た。結果は前回より1議席増の80議席。オンタリオ州で同じ党首が3期連続多数派政権を取るのは1959年以来。

 野党第一党となったのは1議席を失ったものの今回もNDP。野党第二党は公式政党として必要な12議席を3選挙ぶりに上回った自由党。ただ元ミササガ市長だったボニー・クロンビー党首は落選した。それでも党首にとどまると表明している。

東海岸州で州首相が相次いで辞任

 長期政権を目指して解散選挙に出たフォード州首相とは反対に、東海岸州では州首相の辞任が相次いだ。

 2月20日にはプリンスエドワード島州デニス・キング州首相が辞職すると発表。21日正午には2019年5月から約6年間務めた州首相を辞職した。保守党は暫定党首にロブ・ランツ議員を選出、それに伴い同議員が第34代州首相に就任した。

 25日はニューファンドランド・ラブラドール(NL)州アンドリュー・ヒューレイ州首相が辞任すると発表した。外科医から政治家に転身し、2020年8月に州首相に就任。2021年の選挙では自由党を率いて過半数を取り政権を維持した。NL州では今年10月に選挙が控えている。

 ヒューレイ州首相は家族と相談し次の任期4年を全うできないだろうとの結論に至ったと説明した。次の党首が決定後に引退、その後は外科医に戻る予定という。

 今年1月にトルドー首相が辞任を表明、州首相も立て続けに辞任を表明。2025年カナダの政治は転換期を迎えそうだ。

(記事 編集部)

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