今年で第37回となるブリティッシュ・コロンビア(BC)州日本語弁論大会が3月1日、バンクーバー市ブリティッシュコロンビア大学(UBC)アジアンセンターで開催された。
主催:BC州日本語弁論大会実行委員会、在バンクーバー日本国総領事館、協力:UBC、UBCアジア研究学科、バンクーバーの日系企業・団体、日本の姉妹都市(安中市、釧路市、さいたま市)。
発表者はBC州とユーコン準州に居住する日本語を母国語としない人が対象で、各地から応募し予選を通過した46人がこの日、学習の成果を発表した。当日は午前10時から12時まで高校生の部(初級、中級、オープンの3カテゴリー22人)、午後1時から4時まで大学生の部(初級、中級、上級、オープンの4カテゴリー24人)が行われた。今年は最多参加者となり、それぞれの思いを日本語で熱く語った。
高校生の部・初級で優勝したKeely Wongさんは、子どもの頃は仲良くしていた大好きな祖母に中学になるとそっけない態度で接してしまったが、いつも見守ってくれていると思うと右手に着けた祖母のお気に入りだったブレスレットで弁論大会に臨んでいた。
大学の部では、自分のやりたいこと、なりたい道を見つけられないと悩む学生たちの胸の内が垣間見えた。大学の部では初級・中級でも4分、上級・オープンカテゴリーでは5分間のスピーチとなる。それぞれに内容や言語的正確さ・流ちょうさに加え、表現力も使いながら、聞く人にいかに分かりやすく伝えるかという高度な技術が要求される。
そうして弁論を終えた参加者の結果が発表されると、上位に名前を呼ばれた同じ大学生から歓声が上がる一幕もあった。

髙橋良明総領事は、思慮深く印象的な弁論を発表した参加者に感謝し、弁論大会は「カナダと日本の異文化を繋ぐ重要な役割を果たしている」と語った。
UBCアジア研究学科長のシャラリン・オルバー教授は「学生たちの日本語学習への関心は毎年高い」と称賛し、今年も大会が開催できたことに、総領事館、審査員、ボランティア、協力各団体、関係者に感謝した。
大学の部の各カテゴリー優勝者は、3月30日にオンタリオ州トロント市のヨーク大学で開催されるカナダ全国日本語弁論大会に出場する。

第37回BC州日本語弁論大会の結果は以下の通り。
高校生の部
初級(Beginner)
1位 Keely Wongさん「祖母のブレスレット」
2位 Jason Linさん「帰れない過去」
3位 Tiana Honさん「自分の道を歩く」
中級(Intermediate)
アウトスタンディング・エフォート賞
Catriona Hicksさん 「日本の写真花嫁」
1位 Rebecca Hicksさん「誰をかも」
2位 Keira Hoさん「マルチリンガルの葛藤と可能性」
3位 Sean Huさん「運の生きる方」
オープン(Open)
1位 Josh Liuさん「凋落しない黄葉」
2位 Raku Wongさん「人生の意義」
大学生の部
初級(Beginner)
アウトスタンディング・エフォート賞
Anooj Chauhanさん 「私の夢」
1位 Josh Wongさん「正義のための一歩」
2位 Joie Juさん「気づけばスマートスピーカーが相棒になっていた」
3位 Scotia Chowさん「私の専攻」
中級(Intermediate)
1位 Kai Leeさん「日本がくれた夢」
2位 Matthew Wongさん「言語と思い出の間に」
3位 Caroline Lutzさん「物おじせずに行う勇気」
上級(Advance)
1位 Meira Sembratさん「私のことを知っていますか?」
2位 Ran Moさん「気づかなかったその懐かしい記憶」
オープン(Open)
1位 Koto Shiさん「居場所探しの意義」
2位 Yoshiko Fujiwaraさん「未完成の花期」
(取材 Jenna Park)
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