自由党、トルドー首相の後任にマーク・カーニー氏を選出

 与党・自由党の党首選は3月10日に開票結果が発表され、元カナダ銀行総裁のマーク・カーニー氏が選出された。ジャスティン・トルドー首相の後任としてカナダ首相に就任する。

 カーニー氏は59歳、ノースウエスト準州生まれ。両親は教師で、アルバータ州エドモントン市で育った。ハーバード大学、オックスフォード大学で学んだ後、ゴールドマン・サックスに勤務、東京での駐在経験もある。2008年にカナダ銀行総裁に就任、その後、非英国人として初めてイングランド銀行総裁を務めた。

 政治家としての経験がなく現在も国会議員(MP)ではないカーニー氏だが、党首選では最有力候補に挙げられ、結果も85.9%という圧倒的得票率だった。他の候補はクリスティア・フリーランド元副首相兼財務大臣が8%、カリーナ・グールド元下院政府総務3.2%、元国会議員のフランク・ベイリス氏3%。

 勝利宣言でカーニー氏は、緊急課題であるドナルド・トランプ大統領の関税についてカナダの労働者、家族、ビジネスを攻撃するものだとし、これに対抗すると断言。アメリカがカナダに「敬意」を表し、自由貿易への信頼できる対応を行うまで報復関税措置を継続すると明言した。

 今後はメアリー・サイモン総督の任命を受けて首相に就任する。就任式の日程は決まっていない。新内閣については水面下ですでに動きがあるようだと各社が伝えている。今年10月までに総選挙を実施する必要があるが、早ければ今月末にも解散総選挙をするのではと各メディアが予想している。

(記事 編集部)

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