アメリカのドナルド・トランプ大統領による「貿易戦争」の影響でアメリカへの旅行をキャンセルするカナダ人が増えている。
カナダの旅行代理店によると、今年2月のアメリカ各都市への旅行予約について昨年同月と比べて40%減少し、過去3カ月で5人に1人がアメリカへの旅行をキャンセルしたという。
カナダ航空会社最大手エアカナダは2月に、3月からフロリダ、ラスベガス、アリゾナへの運航を10%削減すると発表した。いずれも春休みの旅行に人気の地域。2番手のウエストジェットも、避寒地(暖かい旅行先)への予約状況はアメリカからメキシコやカリブ海地域へのシフトが見られるという。
旅行業界関係者はこの状況について、関税問題のほか、カナダドル安も理由の1つだと分析している。
アメリカ旅行協会は2月に関税措置によるカナダ人旅行者の減少が観光業界に影響を与える可能性があると指摘した。同協会によると、2024年のカナダ人旅行者数は2040万人で、海外からの旅行者数でトップ。消費額は205億米ドルで、アメリカでの14万件の雇用を支えた。カナダ人旅行者が10%減少すると200万人の旅行者数減となり、21億米ドルの消費額の減少、14,000件の雇用削減につながると予測している。
カナダ人のアメリカ旅行先トップ5州は、フロリダ、カリフォルニア、ネバダ、ニューヨーク、テキサスだという。
(記事 編集部)
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