解散総選挙に突入する可能性が高くなったと3月20日、各社が一斉に報じた。マーク・カーニー首相が23日にも解散総選挙を発表すると関係者の話として伝えている。投開票日は4月28日か5月5日になる可能性が高いという。
1月6日にジャスティン・トルドー前首相が辞任を発表して以降、議会は休会状態で、今月24日に再開する予定となっていた。その前に解散総選挙に踏み切るという。自ら解散しなくても、議会が再開すれば少数派政権の自由党は不信任が可決された場合にはやはり選挙となる。
20日にアルバータ州エドモントン市で会見したカーニー首相は解散総選挙について直接言及はしなかったが「私が首相に就任してまだ1週間も経っていないが、これまでに政府が何をしたかは見ての通りだ」と語り、政府には強力で明確な権限が必要で自由党がそれを持てば国民とカナダのために今まで以上のことができると語った。
支持率も一時は保守党に20%以上離されていたが、直近の調査ではほぼ互角となっている。調査会社によっては自由党の支持率が保守党を上回っている。
調査会社によると国民が最も重要としている事柄のトップはトランプ大統領・アメリカとの関係で、続いて雇用・経済、ヘルスケア、インフレ、住宅問題となっている。今回の選挙はトランプ大統領と対決して勝てる首相は誰かを問う選挙とも言えるという。
3月8日に自由党党首選で党首となり14日に首相になったばかりのカーニー氏は現在議席を持っていない。カナダとイギリスの中央銀行総裁という経験はあるものの、政治家としての経験はない。
保守党ピエール・ポワリエブル党首は反トルドーで勢いを伸ばしたが、今年に入りトルドー首相辞任からトランプ大統領のカナダ攻撃などですっかり影が薄くなっている。ハーパー保守党政権時代に主要閣僚を務めたことはなく、首相としてはこちらも未知数。
どちらが政権を取ってもカナダの新しい顔としてトランプ大統領と対決することになる。注目される選挙になることは間違いない。
(記事 編集部)
合わせて読みたい関連記事