カナダが総選挙に突入した。マーク・カーニー首相は3月23日にメアリー・サイモン総督に議会解散を申し入れ、了承されたと発表した。カーニー自由党党首は14日に首相に就任してわずか2週間で総選挙に挑むことになった。
24日から議会が再開される予定だったが、不信任が可決する公算が高く、選挙は避けられない状況だったという。
それに加え、アメリカのトランプ大統領によるカナダへの関税措置や51番目の州発言で、存在感を見せた自由党が支持率を伸ばしていることも解散へ踏み切った理由の一つと見られている。
今年1月6日にジャスティン・トルドー前首相が辞任を表明したのとほぼ時を同じくしてトランプ大統領が就任し、カナダへの風当たりを強めた。それまで自由党はトルドー前首相の不人気もあって、支持率では保守党に一時は20%以上も離されていた。
しかしトランプ大統領への対決姿勢を見せた前首相や自由党議員らの言動が自由党の支持率を回復させ、現在はほぼ互角となっている。
解散前の議席数は、自由党152、保守党120、ケベック連合党33、新民主党(NDP)24、グリーン党2、無所属3、空席4。
今回の選挙から4議席増え343議席となった。オンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州が各1議席、アルバータ州が3議席増え、ケベック州が1議席減少している。カーニー党首はオタワの選挙区から立候補している。
投開票日は4月28日。ピエール・ポワリエブル党首率いる保守党が2015年以来の政権奪取に成功するのか、自由党が新党首で政権維持を実現するのか。争点はどちらがトランプ大統領と対決できるかだとか。決定まではわずか5週間の短期決戦で次期首相が決まる。
(記事 編集部)
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