舞台は1976年のアルゼンチン。イギリス人で英語教師のトムは、ブエノスアイレスにある男子私立高校に赴任する。上品で楽な仕事を期待していたが、イタズラばかりの生徒やできないラグビーのコーチを押し付けられてうんざり。ある日同僚とウルグアイに出かけた彼は、オイルまみれで絶滅していたペンギンの群れに遭遇。一匹だけ生き残っていたペンギンを洗って翌朝海に戻そうとするが…
要らないペンギンを何度も捨てようとするトム、離れたくないペンギン、連れて帰るように命令する警官、餌をあげたい生徒たち、心理相談をする同僚など、笑いいっぱいの反面、当時のアルゼンチンで起こっていた悲惨な歴史も背景にあり、バランスよく映画は進む。
監督は『フル・モンティ』で有名なピーター・カッタネオで、主人公トムの性格が変わるまでを上手く表現している。主演のスティーヴ・クーガンは撮影前の数週間を二匹のペンギンと過ごした。抱っこが自然になりすっかり懐かれていたペンギンと離れるのが辛かったという。実話に基づいたコメディドラマで、ペンギンが高校のプールで泳ぐシーンは必見。
昨年トロントでデビューしたこの映画は、春休み中3月28日から各地のシネプレックスで上映される。

(記事 Jenna Park)
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