炭素税撤廃でカナダ全国でガソリン価格が下落、BC州でも大幅安に

2025年4月1日から炭素税が撤廃された後のガソリン価格。ブリティッシュ・コロンビア州ノース・バンクーバー市。2025年4月7日。撮影 日加トゥデイ
2025年4月1日から炭素税が撤廃された後のガソリン価格。ブリティッシュ・コロンビア州ノース・バンクーバー市。2025年4月7日。撮影 日加トゥデイ

 カナダ政府が4月1日から炭素税を撤廃した。マーク・カーニー首相が約束した措置で、オンタリオ州など連邦政府が導入していた州で同日からガソリン価格が下落した。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州でも4月1日未明に消費者向け炭素税が撤廃され、州全体でガソリン価格が下落した。

 BC州は2008年に連邦政府に先駆けて北米で初めて広範な炭素税を消費税の形で導入、広い支持を得てきた。しかし、デイビッド・イービーBC州首相は連邦・州の保守派が長年にわたり炭素税廃止キャンペーンを展開してきたことで、炭素税は「有害」になったと説明。連邦政府が撤廃の手段を用意すれば州もそれに従うと公約していた。

 州政府は4月1日のガソリン価格が1リットルあたり約17セント下がると予測。同日午前11時時点での価格は、ペンティクトンで1.32ドル、ノースバンクーバーで1.77ドルとなっている。また、家庭向けに天然ガスを供給するFortisB.C.は平均的な世帯月額料金が23%あるいは約30ドル下がると予測している。

 一方、炭素税撤廃には批判もある。ブリティッシュコロンビア大学オカナガン校のロス・ヒッキー経済学教授はCBCニュース電子版の取材に対し、炭素税は主に高所得世帯が負担し、低所得層には還付金が給付される仕組みで「環境にも家計にも有益だった」と述べている。炭素税が撤廃されたため還付金も廃止される。

 イービー州首相は今後の気候変動対策について「産業部門の排出削減や低炭素テクノロジー導入の支援に重点を置く」としている。

(記事 編集部)

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