アメリカの「相互関税」カナダは対象外、ただし自動車への関税は発動

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は4月2日、世界の注目を集める中、「相互関税」と称する新たな関税の詳細を発表した。

 トランプ大統領は外国からの全ての輸入品に対し「最低ラインの関税」として一律10%を課すと述べた。さらに「アメリカを不当に利用してきた」とみなされる国々には、より高い税率を適用すると発表。これには、日本(24%)、中国(34%)、EU(20%)などが含まれる。前者は4月5日、後者は4月9日にスタートする。

 しかしホワイトハウスによるとカナダはこの最低ラインの関税対象外となる。3月に発動された25%(エネルギー製品10%)の国境関連の関税が引き続き適用されるためだという。

 一方、2日深夜に発動された「外国製自動車への25%の関税」はカナダも対象で、国内の自動車産業に深刻な影響を与える可能性がある。ホワイトハウスによると、この関税はカナダで製造された乗用車にも適用されるが、その車両の「アメリカ製ではない部品」にのみ課される。

 これを受けてマーク・カーニー首相は、報復措置としてCUSMA(カナダ・アメリカ・メキシコ協定)の条件を満たしていないアメリカ製自動車に25%の関税を課すと発表した。また、CUSMAの条件を満たしていてもカナダ製の部品を使用していないアメリカ製車両は課税対象となる。

 カーニー首相はこの報復関税によって約80億ドルを徴収できると試算、その資金は自動車産業で職を失った人々や損失を被る企業への支援に充てるとしている。さらにカーニー首相は、自身が選挙に勝利すれば20億ドルの戦略的救済基金を設立すると表明している。

(記事 編集部)

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