先行き不透明な昨今のアメリカの政情を受けて、メトロバンクーバーのサレー市教育区は域内の学校のアメリカへのフィールドトリップを全て一時中止すると発表した。
サレー市教育区はブリティッシュ・コロンビア(BC)州最大の教育区。マーク・ピアメイン教育区長はサレー市はさまざまなバックグラウンドを持った生徒が集まっているとし、国境でのトラブルを避けるために中止に踏み切ったという。「生徒のなかには、両親の仕事のために一時的にカナダに滞在している生徒もいる。教育区は常に生徒やスタッフの安全を考慮している」
同教育区では毎年40〜60の海外へのフィールドトリップが行われ、約半数の行き先はアメリカだという。内容はスポーツ関係からダンス・コンペティション、音楽など多岐にわたる。
ピアメイソン教育長は教員にBC州を含むカナダ国内の旅行を検討するよう勧めているという。一方で将来的にアメリカへの旅行が可能になることを望んでいると述べた。
サレー市教育区の措置はニューブランズウィック州のフランス語教育区に続くもの。同教育区ではハイスクールのオーケストラのアメリカ旅行をキャンセルすると発表した。
BC州のほかの教育区では同様の措置は取っていない。しかしバンクーバー市教育区は声明で、現在はアメリカへのフィールドトリップを禁止してはいないものの要望を受けた場合には政治情勢を考慮すると述べている。
(記事 編集部)
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