カナダ総選挙終盤を迎える前に自由党とNDP、選挙公約を発表

自由党と新民主党の候補者の名前が掲げられたノースバンクーバー選挙区。2025年4月17日、ノースバンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
自由党と新民主党の候補者の名前が掲げられたノースバンクーバー選挙区。2025年4月17日、ノースバンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 カナダ下院総選挙が終盤を迎える中、自由党マーク・カーニー党首と新民主党(NDP)ジャグミート・シング党首が4月19日、各政権公約を発表した。

 自由党の公約はトルドー前首相による2021年の公約から大きく方向転換した内容。今後4年間で約1,300億ドルの支出を見込んでいる。

 公約の柱は「団結、安全、保護、建設」。国防費として新たに180億ドル、住宅問題に120億ドルなど、すでに発表されていた項目に重点が置かれている。さらに、カナダ国内の各州との取引における障壁撤廃、カナダ製品の購入促進、アメリカの関税からの労働者保護、軍の再建と再投資、より強固な医療制度の構築などを挙げている。

 公約にはアメリカへの報復関税から見込まれる200億ドルの歳入も盛り込まれている。また今年の財政赤字については623億ドルを見積もっているが、2028・29年度までには赤字を150億ドル減らし、480億ドルまで縮小するとしている。

 一方NDPシング党首は、税制改革のほか今後4年間でメンタルヘルス対策に70億ドルを投じると公約。さらに資産1,000万ドル超の「超富裕層」に税を導入すると述べた。これにより毎年220億ドルの税収が見込めるとしている。

 またカーニー首相が撤回したキャピタルゲイン税の引き上げを再導入し、収入増を目指す。さらにアメリカ製品への関税を財源にした雇用保険の支給額引き上げ、ゼロエミッション車(テスラ製品除く)へのリベートなどを挙げている。

 投開票は4月28日。期日前投票は18日から4日間実施された。

(記事 高城玲)

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