留学生受け入れ制限に、バンクーバーのコミュニティカレッジ教師などが抗議集会

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市ダウンタウンのバンクーバー美術館前で4月25日、高等教育機関の教師やスタッフが留学生受け入れ制限に対する抗議集会を行った。

 連邦政府は2024年に国内の住宅事情や医療負担に対する改善策のひとつとして学生ビザ発給数に上限を課す措置を導入した。しかし多くの高等教育機関は留学生の授業料に大きく依存していたため深刻な予算不足に陥っている。

 今回の抗議集会はバンクーバー・コミュニティ・カレッジ(VCC)やメトロバンクーバーにある他の教育機関の教師が企画した。VCCのウェブサイトの声明では、この受け入れ制限措置は「計画も協議もないまま急速に導入された」もので、「プログラムの大幅な削減、教育機会の喪失、教職員の雇用喪失など、教育機関に壊滅的な打撃を与え、地域社会にも深刻な経済的影響をもたらしている」としている。

 VCC教職員組合タリン・トンプソン副組合長は集会で、VCCではすでに60人以上のスタッフが解雇され、今後さらに解雇は広がるだろうと述べた。ランガラ・カレッジ、キャピラノ大学、ダグラス・カレッジなど、他の高等教育機関も同様の問題に直面しているという。

 これに対してBC州高等教育・未来スキル省は声明で、留学ビザの変更は「一方的な決定だった」と連邦政府を非難。州政府として引き続き連邦政府に懸念を伝えていくとした。

(記事 高城玲)

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