カナダ政府はノババックス社と新型コロナウイルスワクチンをカナダ国内で生産する契約を結んだ。2月2日、ジャスティン・トルドー首相が明らかにした。
カナダ保健省 (Health Canada)の承認を受ければ、モントリオールのNational Research Council’s Biologics Manufacturing Centreでノババックスのワクチンの生産を開始する。
「これはカナダでカナダ人のためにワクチンを生産する大きな一歩となる」とトルドー首相は述べた。
カナダ政府は現時点でノババックスと7600万回分の同社ワクチンを購入することで契約している。
ノババックスはアメリカのバイオ医薬品企業で、同社が開発したコロナワクチンは、組換えタンパクワクチンという。現在、カナダで承認されているファイザー、モデルナ社がmRNAを用いている。ワクチンの承認申請は2021年1月23日に行われた。
また、ノババックスとは、日本でも武田薬品が提携して日本国内でのコロナワクチン生産を予定している。
不透明なワクチン供給
ワクチンの国内生産の発表の背景には、不透明なワクチン供給、世界的なワクチン供給不足がある。
欧州連合(EU)は1月29日にコロナワクチンの輸出制限を行うことを明らかにした。一方、トルドー首相は1月27日にウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と話をして、制限によりカナダへのワクチン供給が影響を受けることはないと確認したとツイッターで発表している。
BC州のワクチン接種計画が1月22日に発表されたが、ワクチン供給不足でカナダにも予定されたワクチンが入ってきていない。
先週(1月25日の週)はワクチンの供給はゼロで、今週も367,575回分を予定していたところ79,000回分の供給となっている。
ワクチン不足で2回目のワクチン接種に遅れ
ファイザー社、およびモデルナ社が開発したワクチンは両方とも2回接種する必要がある。
2回目の接種については、当初BC州では21~28日後を予定していたが、1月に入り35日後に、さらに1月25日には42日後に変更された。これはワクチン供給不足のためで、高齢者介護施設の入居者への1回目のワクチン接種を優先したことによる。
BC州疾病管理センター(BCCDC)のウェブサイトによると、世界保健機関(WHO)とカナダの予防接種に関する全国諮問委員会は42日以内に2回目の接種を行うべきとの認識を示しているという。一方で最長で12週間後に行っている地域もあることも指摘している。
12月に1回目のワクチン接種を受けたものの、2回目接種の目途が立っていないという女性は新報取材に対して、「1回目の接種が無駄になって、もう一度打ち直しにならないか心配です。開発した会社は21~28日と言っているのに、42日になって大丈夫なのでしょうか」と語った。
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