隣組がお弁当をシニアに配達、バンクーバー新報ミニニュースも一緒にお届け
隣組が行なっている和食のランチプログラム。外出や食事の支度が困難なシニアには配達サービスも行なっている。これが大人気。現在は定員に達していて、キャンセル待ちという。
今回はプログラムを担当している正子さんに話を聞いた。
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日本の味を届ける隣組ランチサービスは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で隣組のキッチンでの弁当作りが休止となっていた。しかし、9月下旬より再開。正子さんは「再開当初は利用者は5件だったんですよ」と振り返る。「プログラムは好評で現在は定員に達しています」と微笑んだ。
パンデミックでキッチンに入るスタッフやボランティアの数も限られているため、対応できる人数に限度があるという。
ランチは、消毒・マスクの着用など衛生面に十分注意しながら、スタッフやボランティアが隣組キッチンで準備。「12人のボランティアさんがバンクーバー、リッチモンド、バーナビー、ニューウエストミンスター、コキットラム、ノースバンクーバー、ウエストバンクーバーのサービス利用者に配達しています」
ボランティアに加え、食材を寄付するサポーター、バンクーバーコスタル・ヘルス保健当局、バンクーバー市などもプログラムを支援している。最近ではクイーンエリザベス・ライオンズクラブより食材の寄付があったという。
「食品衛生なども考慮して、ボランティア1人が配達を担当しているのは4~5軒です」と説明する。毎週、火曜日のランチタイムに届けている。
利用者の中にはインターネットで情報収集ができない高齢者も多い。そのため、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約開始が発表されると日本語の情報を入れたり、季節感を出すために3月3日ひな祭りにはひな祭りカードを同封するなど、細やかな気遣いも忘れない。
「プログラムはボランティアさん、サポーターの皆さん、隣組スタッフと、たくさんの人の支援と “想い”で成り立っています。格安のお値段で自宅まで届けることができるのはそのためです。その想いをシニアの皆さんにしっかりと受け取っていただけるように、私たちも努めています」と強調する。
弁当の入った隣組の袋は次回の配達のときに、ボランティアに返却してもらう。ルールを決めて利用者に責任を持って守ってもらうことも、そんな努力の一環で、シニアが長く自立した暮らしができる支援のためにも大切だと正子さんは考える。
料金は会員6ドル、非会員は7ドル。前の週の金曜日中に予約すれば、隣組でのピックアップも可能。受け取りは、午前11時45分から午後12時15分まで、隣組玄関前となっている。
ランチサービスに関する問い合わせ・登録・予約は、電話604-687-2172内線102、またはメールservices@tonarigumi.ca(正子さん)まで。
新報ニュース開始!
バンクーバー新報はコミュニティに役に立つニュースや情報の発信を7月1日から新ウェブサイトに移行し、オンラインのみの配信で再出発した。メールマガジンの配信も9月より開始している。
紙媒体としての新聞は4月30日号で廃刊したが、インターネットを利用しない読者から再開してほしいとの声が多く寄せられている。そこで今回は新たな試みとして、隣組協賛でダイジェスト版ニュースを作成して弁当と一緒に届けている。
(取材 西川桂子)
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