金沢からこんにちは
こんにちは、金沢ゲストハウスポンギーの女将のにいなです。
金沢は段々と暑くなってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回は、金花糖をご紹介したいと思います!
金花糖って?
少し透き通った白色に、カラフルな色彩、ころんとしたフォルム…
「わっ!かわいい!」
と、思わず声をあげたくなるこの愛らしい砂糖菓子が、金沢の伝統的な和菓子、「金花糖」です。
金花糖は、金沢では主にひな祭りの飾り物として、昔から人々に親しまれてきました。
江戸時代の初期は、砂糖は金ほどの価値がある、ということで「金価糖」と表記されていたそうです。
以前は日本各地で作られていた金花糖ですが、職人の数が減り、今では金沢のほかは新潟、東京や九州北部など、全国でも数か所の限られた地域でしか作られていません。
上の写真は、今回取材に協力してくださった金花糖職人の友人、「加賀銘菓の越野」4代目の越野英一さんが作ってくださったもので、ポンギーに飾ってあるものです。
英一さんの金花糖の淡く上品な色合いは、置いてあるだけで部屋の雰囲気を優しくし、宿に来る人の心を和ませてくれます。
木型で作る芸術品!
金花糖の作り方はとてもシンプル。専用の木型に砂糖を流し込んで作ります。前後左右で異なる、立体的な形に合わせて型を作るのは至難の業・・・残念なことに、今では木型職人の数もどんどん減り、全国でも数名ほどになってしまいました。
使われている砂糖は普通の上白糖ではなく、純度の高い白双糖(しろざらとう)というものです。この砂糖のおかげで、金花糖独特の白さと硬さが出るのです。
火にかけて溶かした透明な砂糖蜜を、木の棒で攪拌して空気をたっぷり含ませることで、砂糖蜜の色が白っぽく変化します。真っ白ではなく少し奥が透けて見えるようなこの色、幻想的で、いつまででも眺めていたくなってしまいます。
木型に砂糖を流しこんだら、あとは職人技! 金花糖の中は空洞になっているのですが、厚さにムラが出ないように、細心の注意をはらって均一に仕上げます。その後は筆で丁寧に色をつけて完成。
金花糖づくりは、シンプルな分ごまかしがききません。お菓子であると同時に、職人の技術が光る芸術品でもあるのです!
知っていると得をする? 金花糖豆知識
私が金花糖に出会ってすぐの頃。
小さな金花糖を角砂糖のようにコーヒーに入れて飲もうとしたのですが、なかなか溶けず、スプーンでつついてもちっとも壊れず、
「日本の四季の温度・湿度変化に耐えられる砂糖菓子は、なんて頑丈にできているのだろう!」と、驚いた記憶があります。
英一さん曰く、お供え後や余った金花糖は、固い棒などで叩いて細かく割り、煮物やぜんざいのような煮込み料理に使うと良いとのこと。着色料は食べられるものなので体への影響はありませんが、気になる方はあまり着色されていないものを選ぶとよいかもしれません。
せっかくの縁起物のお菓子。最後まで大切にいただきたいものですね!
金沢の思い出にぜひ!
一人あたりの和菓子消費量が全国一の街、金沢。おいしい和菓子はたくさんありますが、飾って長く楽しめる金花糖は、いつでも金沢を思い起こさせてくれるすてきなお土産になるのではないでしょうか?
今回も、お読みいただきありがとうございました!
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