米疾病対策センター(CDC)が6月10日、想定以上の人数の若い男性が、新型コロナウイルスのmRNAワクチンの接種後に心臓疾患を発症していると明らかにした。
mRNAワクチンはファイザーやモデルナが開発したワクチンで、アメリカのワクチン有害事象報告システム(Vaccine Adverse. Event Reporting System : VAERS)を確認したところ、報告されたワクチン 2回目接種後の有害事象の半分以上は、12歳から24歳のファイザー、もしくはモデルナを接種した人に起こっているという。
これらの若者の大部分は男性とされる。報告数の半分以上が12歳から24歳だったのに対して、この年齢層の割合は接種を受けた人口全体の9%を占める。
アメリカのワクチン有害事象報告システムには、医療従事者だけでなく、ワクチンを受けた患者や家族も有害事象を報告できる。
VAERSのデータでは、2回目のmRNAワクチンを接種した16歳から24歳の若者283人に、心臓疾患が報告されている。想定されていたのは10~102人だったので、大幅に上回っている。
疾患は通常、接種後、数日以内に発症していて、1回目より2回目接種後に起こっているという。
CDCではワクチン接種のメリットは心臓疾患のリスクを上回るとして、引き続き10代の若者にもワクチン接種を勧めている。このところアメリカで、10代の新型コロナウイルスの重症例が増えているとして、6月4日にも若者に対してワクチン接種を呼びかけた。
オンタリオ州が6月11日に発表した『Adverse Events Following Immunization (AEFIs)(予防接種後の有害事象)』でも、同州でmRNAワクチン接種後、18歳未満で心臓疾患を発症したケースが3件あると報告している。
カナダ公衆衛生庁(Public Health Agency of Canada)では因果関係は確認されていないとしながら、現在、状況を監視しているという。
6月14日時点でカナダ保健省は現在、12~17歳の子どもにファイザー製ワクチンを認めている。