カナダde着物
第20話 季節*芒種(ぼうしゅ)
芒とは、稲の穂先のことで、穀物の種をまく時期を表しています。一足早く梅雨入りする沖縄では、前回の節気「小満」と合わせて梅雨のことを「小満芒種 (すーまんぼーす)」と言うそうです。
「入梅*梅酒を漬けましょうか」
水無月に入りました。
入梅(にゅうばい)や梅雨(ばいう)は、日本のニュースでいつもトップニュースで登場する季節の風物詩です。暑い夏を前にして、涼しい期間でもありますので、しっとりと時間を過ごすことができそうです。
ご存じのように、カナダでは梅雨のように呼ばれるシーズンはありませんが、バンクーバー界隈は、冬からずっと雨が多いので、そのまま引き続き6月ぐらいまで雨が降る日があります。たまに夏日のような暑い日もあったりして、体調管理が難しい時期です。
梅の収穫の時期でもあり、ここ何年か、バンクーバー界隈でも青梅を販売しているのを見かけます。梅ジュースや梅酒を作る動画や写真が、北米在住者のSNSの投稿でもあり、ご自宅で作られる方も多いようです。爽やかな青梅の味、日本人は好きですよね。
「雨にちなんだ文様*雨龍間道(あまりゅうかんとう)」
風土を取り入れた着物の柄をよく見かけますので、雨にちなんだ文様(*1)も色々とあるに違いないと思い、探してみました。やはり、農耕民族の日本には、雨乞いの風習から生まれた文様がいくつかありました。その中の雨龍文様(*2)は、至ってシンプルなチェック柄のようですが、よく見ますと龍が描かれています。
茶道では仕服や古帛紗などの裂地(*3)で使われますが、着物の中で取り入れるとしたら、男性の角帯にいかがでしょうか。男性の着物は無地が多く、お洒落さん達は帯や小物で個性を出します。着物は女性が着ているイメージが多いですが、男性の着物姿も素敵です。男性の皆さま、是非、高倉健のような着物姿で闊歩されてください。写真は「高倉健 着物姿」とググりますと、ご覧いただけます。(笑)
(*1)雨にちなんだ文様
雨縞、時雨、雨文様、春雨などがある。雨の文様は斜めの線のものもあり、なかなか粋です。雨縞のような縞文様は、縞が所どころ途切れている文様のことで、織りで表されたものは雨絣や柳絣と呼ばれる。
(*2)雨龍間道 (あまりゅうかんとう)
架空の霊獣を文様にしている。ほかの龍のように角がなく、尾は細く、濁水に棲んで水霊とされている。水中に五〇〇年を経て蚊龍となり、竜巻を起こして天に昇るとき、初めて角を生じ、鋭い爪も生え、四足に迫力が生まれる、この勢いの良いめでたい龍を文様に表わしたものである。収録した裂は本歌で、この他に同じ文様で数種の色の折変えたものがあるが、何れも同じ名称である。
(*3)裂地きれじ
大陸からシルクロードを通じて日本に渡ってきた伝統織物。 着物や袈裟(けさ)、茶の湯の名物裂の仕覆(しふく)や袱紗(ふくさ)など、そして掛け軸や屏風などに使われる表装(ひょうそう)裂地として活用されてきたもの。
***引用***
暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/
着物のよろず 針箱 http://blog.livedoor.jp/halibako/
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。通常でしたらお寺で学ぶ和の学校ですが、今年はオンラインで初めて試みることにしました。お家から是非ご参加下さい。
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持に為に使われている。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
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