隣組ではスタッフと会員やボランティアがオンラインで話をすることができるTGラウンジをZoomで開催している。
精神の健康を保つための「マインドフルネス」や「春のバンクーバー情報」、「詐欺の手口」をはじめ、さまざまなトピックで毎週金曜日に行われている。7月9日は元ガーデナーの宮地昭彦さんによる「ガーデニングQ&A」だった。
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水やりは暑い時間帯は避けよう
暑いときはいつ水やりをすればいいのでしょう?
夏の「暑い時間」に水やりをすると土の温度が高いため植物が蒸れてしまいます。日本でも夏は午前10時までに水やりを終わらせますし、バンクーバーでも10時までに。
私の場合はスケジュールの都合もあり、あまりお勧めできる時間帯ではありませんが、午後3時から4時ごろまで、だいたい1時間かけて水をあげています。少し気温が下がり始める午後6時や7時でも構いません。
水やりで気を付けることを教えてください。
できるだけ植物の葉にはには水をかけず、地面に直接水をかけてください。小松菜のようなものには水をかけても大丈夫ですが、ケールやレタスなどは、水をかけると葉に水滴が溜まり長く残り光合成の妨げになることもあります。
そのほかモミジのような紅葉落葉樹の葉に太陽があったっている時間帯に水をかけると、葉焼けを起こし樹が弱るので注意が必要です。
病気や害虫対策について
育てているガーリック(ニンニク)の葉にサビ色の点々がついています。
葉に斑点がつくのはカビの菌によるさび病です。カビは土の中に残り越冬もするので、対策としては連作をしないこと、つまり、翌年は別の場所に植えるようにしてください。
病気になった植物はコンポストには入れないようにもしてください。今年は気候のせいかさび病が多いように思います。
シャクナゲの葉のふちがギザギザにかじられています。害虫対策として「insecticidal soap」と書かれたモノを買ってみたのですが…。
葉っぱを食べるのはヨトウムシ(夜盗虫)です。「insecticidal soap」では対策になりません。かつてはDDTなどが使われましたが、今は農薬類は規制などがあり入手が困難です。
これを駆除したい場合はガーデンショップに行ってどんな方法があるか確認してください。薬剤を使わないで行う駆除方法のひとつにTanglefootというものがあります。Tanglefootはネバネバしたテープで、根本に巻いて虫をつかまえます。
「insecticidal soap」は石けんを主原料とした殺虫剤の原液でアブラムシ駆除のために使います。
トマトを育てるコツは?
トマトはニコチンを触った手で触れないようにしてください。
トマトはバジルと一緒に育てると、トマトもバジルも元気になります。脇芽は気が付くたびに掻きとると果実も充実しやすいです。
コンパニオンプランツとは、共栄作物、共存作物とも呼ばれ、 一緒に植えることでお互いに良い効果をもたらす作物・植物のことです。
トマトとバジルのほか、バラとマリーゴールドなどもあります。探すと面白いですよ。
ほおずきとレモンバームを育てています。注意するべきことは?
どちらもよく増えます。
特にレモンバームは根茎でどんどん増えますので、気を付けないと広がって大変なことになります。早めにどんどん抜いてください。
観葉植物は家のどこに置くのがよいでしょう。
種類によります。
サボテンは暗いところではなく明るいところに置いてあげてください。日があまり当たらなくてもよいのはファイカスです。ファイカスは直射日光は苦手です。寝室に置くと空気を浄化してくれますよ。
満開を迎えているラベンダー。香りもよく気に入っているのですが大きくなりすぎています。
花茎のところで剪定します。大きくなりすぎている場合は、地面に近いところに小さい芽がでているので、そこまで切り戻します。こういう思い切った剪定は3年に1回ぐらいの頻度で行います。
ラベンダーの花を乾燥させてお茶パックに入れておくと香りがいいだけでなく、防虫効果もあります。
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参加者の中からはバラの花びらを乾燥させて、ポプリを作って玄関先に飾っているという話もあった。香りが薄れてきたら、3秒ほど電子レンジにかけるとよいという。
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宮地昭彦さん
1967年カナダに移住。トロントでガーデナー・ヘルパーとしてカナダ生活をスタート。1969年バンクーバーに転居以来、2003年まで造園、庭管理業務に携わる。
日加ヘルスケア協会創設時から理事として同協会に貢献。リタイアした現在も隣組などのボランティアとして活躍している。
「みどりの会」
隣組の電話プログラムで、植木や花の情報交換ができる。開催は第3火曜日午後1時から2時まで。参加するには隣組の会員になる必要あり。
(問い合わせ: info@tonarigumi.ca)
(取材 西川桂子)
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