最近テレビで「ゆず」を連呼するコマーシャルを見て「一体何事か?」と気になった人はいないだろうか?
スーパーストア(Superstore)、ロブローズ(Loblaws)、ノーフリルズ(No Frills)などのスーパーマーケットを運営するロブローカンパニー(Loblaw Companies Limited)が、今年5月から開始したゆずを使用した一連の商品の販売で、カナダの消費者に好評だという。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の日本産食材紹介ページによると、ゆずの原産は中国・長江の上流域といわれているとのこと。奈良時代までに朝鮮半島を経て日本に伝わり、西日本で薬用として栽培されてきた。
近年ではフレンチのソースやドレッシング、マカロン、デザートなどに使用されるなど、欧州を中心に販路を広げつつあるという。カナダでは2015年の『Globe and Mail』紙が紹介したり、料理番組や料理本で登場したりすることはあるものの、まだまだ知名度は低かった。
その状況を変えようというのがロブローカンパニーのゆず関連商品で「カナダでは雑誌や高級レストランでお目にかかるものだったというゆずを身近なものにしたい」と新製品を開発したとロブローカンパニー広報担当者が新報の取材に語った。
日本ではゆずは秋から冬にかけてのイメージがあるが、さわやかな風味からロブローカンパニーは夏にキャンペーンを行っている。
現在販売を行っている商品は、ゆずを使ったチキンウイング、サーモンの串焼き、ホットソース、レモネード、日本式チーズケーキやゆずとブルーベリーのソルベなど。
またロブロー以外にも、ゆず関連商品は、BCリカーストアでCHOYA(チョーヤ)製をはじめ数種類のゆず酒を、無印良品カナダではゆずのエッセンシャルオイルや柚子&金柑のどあめを販売している。
CHOYAのゆず酒は免税店で人気で、日本全国での発売は2021年3月9日からと、海外旅行者向けが先行した。CHOYAのウェブサイトには「四国産ゆずをまるごと絞ったプレミアムなゆず酒」とある。また、ゆず酒を炭酸水やジンジャエールで割る飲み方を紹介している。
ロブローカンパニーでは、tiktokで#DoYouYuzuのハッシュタグでプロモーションも行なっている。President’s Choiceのゆず商品アレンジのアイデアも見ることができる。
https://www.tiktok.com/amp/tag/DoYouYuzu?lang=en
チーズケーキバイト
1.チーズケーキ(PC Yuzu Citrus Japanese-Style Cheesecake )をコップなどで型抜き。
2.半分に切ってラズベリージャムを塗って、砂糖漬けレモンで飾りつけ。
羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事の公邸料理人竹内えみさんも「公邸料理人の目利き – 季節の柑橘」としてすだちとともに、ゆずを仕入れる様子をYouTubeで公開している。バンクーバーでも秋になるとゆずが手に入るという。
果たしてゆずはカナダで定着していくのか? 日本馴染みのさわやかな柑橘の行方を見守りたい。
(取材 西川桂子)
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