カナダde着物
第22話 季節*七夕~蓮始咲(はすはじめてひらく)
今年のカナダデイは鎮魂の中、行きかう人々はオレンジ色で気持ちを表していました。
そして、7月7日の七夕は五節句のひとつです。アジア各国で様々な習慣が今でも伝えられています。
日本では五色の短冊に願い事を書きますね。年に一度の「公開願掛けの日」ですので、家族や友人の願いごとを横目で見るのが楽しみでもあります。皆さんは、どんなことを願いましたか。
泥の中から美しい姿を見せる、蓮の花。その神々しい凛とした姿は、仏教や他の宗教を象徴する花として愛されていますね。アジアの国々では、葉、茎、実、を炒めたりサラダとして食べるそうです。そして、もちろん根っこはレンコンですね。喘息や呼吸器官の病気に、レンコンがいいと聞いたことがあります。
バンクーバー近郊でよく見られるのは、蓮よりも睡蓮(すいれん)でしょうか。空に向かって咲き誇る姿は、力強く神秘的でもあります。
「盛夏は涼しく見える薄単衣(うすひとえ)へ」
今年の夏は、記録に残る猛暑のカナダですが、基本的には湿度が低く過ごしやすいですね。暑い日でも日陰に入れば不快感は和らぎます。カナダで着物を愉しむ、とても良いシーズンだと思います。
普段、着物と縁がない方でも、夏の着物が好きだという方は多いようです。それは、絽、紗、羅、麻など、透ける生地は風になびくと爽やかで、見ていてとても涼しげだからでしょう。
夏着物(*1)の柄には、植物の緑や露、海や川にちなんだ文様などがあり、見ているだけで涼を取ることができます。
日本では、昔から生活の中に五感に涼しさを感じさせる習慣やしつらえがあるのでしょうね。
そして、おわかりでしょうか。夏の着物は、着ている人より見ている人が涼しいのです。笑
いえいえ、もちろん、着る方も工夫次第で暑さを軽減できます。詳しくは、オンラインサロンや着付教室で説明しておりますので、是非、ご参加くださいませ。
夏着物なつきもの(*1)夏物の着物とは、6月~9月に着る裏地のついていない「単衣(ひとえ)」の着物。またその中の、特に7月・8月に着る「薄単衣(うすひとえ)」の着物のことを言う。
また、それに合わせて選ぶ、夏用の帯や長襦袢もある。
(長襦袢にも袷・単衣・薄単衣がある。)
日本は他の国と比べて、四季の変化に富んでおり、季節のきものにもしっかりとしたルールがある。
最近は、温暖化の影響や現代的な考え方の流行により、夏物着物の着用時期は広がってきていると言われている。
「盛夏の着物コーディネートの基本」をご紹介します。
着物 絽、紗、紗紬、麻地など
帯 絽・紗・紗紬・麻などのなごや帯・袋帯、
紗・羅・紗紬・麻の八寸帯、絽綴帯、
絽塩瀬・紗・麻地などの染め帯
帯〆 レース組など夏用、袷用
帯あげ 絽、紗、麻など
半衿 絽塩瀬、麻など
***引用***
暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/
夏のきもの屋さん https://www.s-kimono.jp/hpgen/HPB/entries/8.html
婦人画報 https://www.fujingaho.jp/
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。通常でしたらお寺で学ぶ和の学校ですが、今年はオンラインで初めて試みることにしました。お家から是非ご参加下さい。
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持に為に使われている。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98
Instagram https://www.instagram.com/konatomoko/?hl