東漸寺で盆法要と盆踊り

コキットラムの東漸寺で盆法要。©the Vancouver Shinpo
コキットラムの東漸寺で盆法要。©the Vancouver Shinpo

 ブリティッシュ・コロンビア州コキットラム市にある東漸寺で8月14日、送り盆の法要と盆踊りが行われた。当日はマスク姿の家族連れなど約50人が集まった。

 最初に法要が行われて、キーススナイダー住職が先祖を供養する盆について英語で説明をして読経を行った。焼香もあり、浴衣姿の小さな子どもたちも大人と一緒に祭壇に手を合わせた。

法要の最初に参列者に話をするキース・スナイダー住職。©the Vancouver Shinpo
法要の最初に参列者に話をするキース・スナイダー住職。©the Vancouver Shinpo

 昨年、父親が日本で亡くなったという女性は「初盆なのにコロナで日本に帰ることができません。なんとか父の供養がしたいと思いました」と参列の理由を述べた。

 実家は浄土真宗で、東漸寺は浄土宗ということで「父なら浄土真宗のお寺に行くようにと言うと思うのですが、自宅に近い東漸寺にしました」と苦笑した。

 東漸寺では新型コロナウイルス感染拡大までは、大晦日に除夜の鐘をつくことができた。これまでに何度か除夜の鐘をつきに足を運び、馴染みがあったことも法要に来た理由だという。

 友人に誘われて盆踊りに参加したという女性は「せっかくだし、法要にも参列しました。御堂に入って、線香のにおいをかぐと、心が落ち着きますね」と語った。

 盆踊りは彩月会の西川佳洋師範とメンバーがリードした。東村山音頭、東京音頭、炭坑節といったおなじみの曲に合わせて、子どもたちから年配者まで楽しそうに輪になって踊っていた。

彩月会の西川佳洋師範らのリードで盆踊り。©the Vancouver Shinpo
彩月会の西川佳洋師範らのリードで盆踊り。©the Vancouver Shinpo

 「今回の盆踊りで振りをなんとなく知っているのは炭坑節だけだったのですが、彩月会の皆さんがお手本を見せてくれたので、ついていくことができました」と笑顔をみせた。(前述の女性)

 西川師範は「『盆踊り』は、故人を偲び、供養するために踊ると言います。Covid-19 のため、去年、今年とほかの仏教会では『盆踊り』ができませんでしたが、『東漸寺』で『盆踊り』ができ、沢山の人たちが楽しく踊り、『来年また会いましょう!そして盆踊りをしましょう!』と言って別れました。とてもうれしかったです」と感想を語った。

 当日は着付け教室をはじめ、日本文化を学ぶサークル活動を東漸寺で行っている和の学校が、浴衣の着付けサービスも行った。

 東漸寺の8月中旬のお盆参りは2017年から、盆踊りは2019年からスタートしたという。

 「昨年はコロナ禍で中止しましたが、今年はコロナ禍による集合規制の緩和によって実現できました。
 お盆参りと踊り行事はお寺の檀家をはじめお寺で行っている茶道や着物着付け教室などに関わっている方々にも声をかけました。その方々がご家族だけではなく日本に関心があるお友だちを誘っていだだいたのがうれしかったです。これからはお寺の年中行事として続けていきたいと思います」
(檀家の代表として東漸寺の世話人の役割を担う渡辺雅之さん)

東漸寺
Tozenji
209 Jackson Street, Coquitlam
Tel: 604-939-7749

メトロバンクーバーのそのほかの寺

バンクーバー仏教会
Vancouver Buddhist Temple
220 Jackson Ave, Vancouver
Tel:  604-253-7033
http://vancouverbuddhisttemple.com/

スティーブストン仏教会
Steveston Buddhist Temple
4360 Garry St. Richmond
Tel: 604-277-2323
https://steveston-temple.ca/

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和の学校
東漸寺で着付け教室などを行っている。
https://wanogakkou.jimdofree.com/

(取材 西川桂子)

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