スタンレーパークで市民らがコヨーテに襲われる事件が多発しているのを受けて、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が駆除に乗り出した。業者がトラップを仕掛けてコヨーテを捕らえ、安楽死させるという。今後2週間でパークに住む35頭を駆除する。
計画が発表されると、シンガーソングライター、ブライアン・アダムスをはじめ、多くの人から反対の声があがったが、7日から駆除が始まった。
野生動物保護や自然保全を行う、Conservation Officer Service(COS)によると、2020年12月から9月9日までの間にスタンレーパークで45人が襲われている。1月に2頭、7月4頭、9月1頭のコヨーテがそれぞれ駆除された。これらのコヨーテは実際に人を襲ったとみられている。
コヨーテが人を襲うのは夕方から朝にかけてが多いことから、バンクーバー市では7月30日から午後10時から翌朝6時まで必要のない人のアクセスを閉鎖してきた。さらに9月3日からは午後7時から翌朝9時までに閉鎖時間を早めるなどして対策に努めてきた。
さらに、COSではパーク内パトロールを増やし、市民にコヨーテが攻撃的になる夕方、訪れるのを避けるように呼び掛けてきた。
殺さずに、他の場所に移すことはできないかという声に対しては、野生動物の管理を行っているBC州森林・国土・天然資源運用・地方開発省では、コヨーテは縄張り意識が極めて強く、他の場所に移すことで、その場所に元々いる動物への影響が懸念されると回答している。
コヨーテが攻撃的になったのは、人が野生動物にエサをあげたことも原因の一つとして、COSなどでは、コヨーテをはじめ野生動物には絶対にエサをあげないでと訴えている。
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