バーナビー市の日系文化センター・博物館で9月4日(土)と5日(日)、日系祭りが開催された。今年は入場人数を制限しながら、例年より催し物の内容を抑えた「ミニ祭り」となった。4日は午後から雨模様となったものの、両日ともたくさんの人が来場し、日本の夏祭りの雰囲気を存分に楽しんでいた。
開会式は4日に行われ、スコーミッシュ族長老のサム・ジョージ氏によるスピーチと祝福の歌で始まった。その後、羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事が挨拶。「コロナ禍において課題も多いなか、関係者の尽力で開催されることをうれしく思います。日系祭りは、あらゆる年代や人種の方々が集い楽しい時間を過ごすことのできる機会だと思います」と述べた。
続いて、バーナビー市のマイク・ハーリー市長が、多様性を重視するバーナビー市での日系祭りの意義を語ると共に、式に列席した来賓を紹介した。来賓は、ニューウエストミンスター/バーナビー地区国会議員のピーター・ジュリアン氏、バーナビー・エドモンズ地区州議会議員のラジ・チョーハン氏、バーナビー・ローヒード地区州議会議員のカトリーナ・チェン氏、バーナビー市議会議員のピエトロ・カレンディーノ氏およびマイク・ヒルマン氏。
開会式の最後は羽鳥総領事、ハーリー市長、日系祭り実行委員長のルイーズ阿久沢さん、日系文化センター・博物館事務局長のケーラ後新門フォスターさんによる鏡割りで締めくくられた。
ガーデンでは彩月会の日本舞踊、Bushidoの太鼓と尺八、ちび太鼓、バンクーバー沖縄太鼓、Shootingstar Idolsのダンスなどのパフォーマンスが披露された。また、合気道、空手、少林寺拳法、柔道、居合道のデモンストレーションが館内ステージや道場で行われ、たくさんの来場者を惹きつけていた。彩月会のリードによる盆踊りでは、来場者が続々と輪に加わり、祭りの気分を盛り上げた。
館内のマーケットプレースでは、和雑貨やアクセサリー、浴衣、生チョコ、菓子パンなど、多くの人がショッピングを楽しむ姿が見られた。イベントホールではヨーヨー釣り、スーパーボールすくい、輪投げなどのゲームを楽しむキッズゾーンが設置され、家族連れでにぎわった。
どのゲームコーナーもほどよくスペースが取られており、感染症対策にも十分気を使っていることが見受けられた。また、館内入り口には1つずつパッケージに入った不織布マスクと除菌ジェルも設置されていた。
お父さん、お母さんと一緒に来場した彩良ちゃんと美紀ちゃんは、ヨーヨー釣りが楽しかったそう。お母さんの秀美さんは、「コロナ禍で行動の規制などあって日本へ里帰りも出来ないなか、子どもたちがお祭りをすごく喜んでくれたので、連れてきて本当に良かったと思っています。私たちもとても楽しんでいます」と話した。
和雑貨のショッピングをじっくりと楽しんでいたルシアさんとミチェルさんは、息子のデミアン君を連れて来場。メキシコから移住したとのことで、メキシコでも同様の日本の祭りに行き、日本文化に触れたことを懐かしく思ったという。「これから屋外に設置されているフードベンダーにも行って、お好み焼き、たこ焼きなど日本の味を楽しみたいと思っています」と話した。
実行委員長のルイーズ阿久沢さんは「コロナ禍のなか、また天気があまり良くないなか、たくさんの方々に来ていただいてありがたく思います」と話した。実行委員会のメンバーおよび約200人のボランティアによる尽力で、今年の日系祭りも大いに盛り上がった。
(取材 大島多紀子)
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