カナダセブンズがバンクーバーに帰ってきた。毎年3月に開催される7人制ラグビー世界大会「カナダセブンズ」だが、今年は特別に9月に開催。
新型コロナウイルス感染拡大の影響や7月に東京五輪が開催された直後ということもあり、例年よりも若手中心のチームが多く、参加チーム数も少ない大会となったが、それでもセブンズラグビーの興奮はそのままに18日、19日の2日間、BCプレースは大いに盛り上がった。
会場では新型コロナ感染防止対策も徹底。入場者はいつもの約半数に抑えられ、ファンも飲食以外ではマスクを着用しながら、ラグビー観戦を楽しんでいた。
男子決勝はアフリカ対決、女子はイギリス対アメリカ
男子決勝は初のアフリカ対決となった。異例尽くしの今大会、男子は12チームが参加したが、東京オリンピック金メダルのフィジー、銀ニュージーランド、強豪のオーストラリアなど、南太平洋地域のチームが不参加。さらに当初は参加を表明していた日本も結局不参加を決めた。
代わって、招待チームが多く参加した。ドイツ、ジャマイカ、香港、メキシコなど、例年ならなかなか見られないチームのプレーが大会に新しい風を吹き込んだ。
そんな中、決勝に進んだのは、南アフリカとケニア。試合は、セブンズシリーズで優勝したこともある南アフリカが実力を発揮しケニアを圧倒。38-5でアフリカ対決を制した。
3位決定戦ではアイルランドとイギリスが激突。例年ならイングランドやウェールズ、スコットランドとして参加するイギリス勢は、今大会は初めてオリンピック同様1つの国として参加し、3位となった。若手中心で臨んだカナダは5位決定戦でアメリカに敗れ、6位だった。
女子は、カナダ、アメリカ、メキシコ、イギリスの4チームが参加。優勝は34-12でアメリカを下したイギリス。カナダは若い選手が活躍したが3位に終わった。
今年は初めて男女の大会がバンクーバーで同時開催
今大会では初めて女子のカナダセズンズ公式戦がバンクーバーで開催された。例年なら毎年3月にバンクーバーで男子大会、5月にビクトリア(ラングフォード)で女子大会が開催される。しかし今年は新型コロナの影響で春の大会は中止。代わりに9月にバンクーバーで男女同時開催となった。
毎年ビクトリアに行かないと見られないバンクーバーのラグビーファンにとっては女子大会を初めて観戦する貴重な機会。参加したのはカナダをはじめ4チームのみだったが、男子にも負けず劣らずの迫力にファンからは大きな声援が送られた。
カナダセブンズ
カナダセブンズは、7人制ラグビー世界大会HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ北米大会の一つとして男子は毎年3月にバンクーバーで開催されている。7人制ラグビーは2016年リオデジャネイロ大会からオリンピック正式種目となり、セブンズシリーズも俄然注目を浴びるようになった。
HSBCワールドラグビーセブンズシリーズは、毎年ドバイを皮切りに、男子は南太平洋、北米、アジア、ヨーロッパなどの10都市で10大会を、女子は2019-20年シーズンから8都市8大会(それまでは6都市6大会)を開催している。
参加チーム数は、男子16、女子12。シーズンは男子12月、女子10月から翌年6月まで。順位によってポイントが加算され、対象となるシーズンの上位チームはオリンピックの切符を手にする。
今年は新型コロナ感染拡大の影響で、現時点ではカナダで行われる2試合、バンクーバー大会とエドモントン大会のみ開催予定。昨年は、男子は3月にバンクーバーで、女子は2月にシドニー(オーストラリア)で開催された大会を最後にすべて中止となった。
(取材 三島直美)
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