ダウンタウンから車で約30分、ノースバンクーバーのキャピラノリバー・リージョナルパーク。Metro Vancouverが管理する24のリージョナルパークの一つで、キャピラノ渓谷にある。
園内にはいくつかハイキングルートがあり、コースを全て合わせると全長約17キロになる。今回は映画の撮影に何度も使われているクリーブランドダムから、サケの孵化場を訪れるコースを紹介する。全長3.5キロメートルで、所要時間は1時間半のループとなっている。
秋のキャピラノ渓谷ではサケの遡上や釣りをしている人たちを見ることもできる。サケの孵化場はオープンしていると、模型によるサケの生態の展示、さらには魚梯(ぎょてい)もある。実際にサケがを懸命にのぼっていく姿は感動的だが、2021年9月現在、新型コロナウイルス感染拡大で閉まっている。
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ハイキングの出発点はクリーブランドダム近くのキャピラノ湖となる。
駐車場で車を停めて湖に向かう。長さ5.8キロメートル、幅800メートル、深さ75メートルの人造湖で、メトロバンクーバーの飲料水の3分の1を供給しているという。湖の向こうにグラウスマウンテンや2つの頂きが特徴的なライオンズ山が見える。
山と湖の眺望を楽しんだら、すぐそばのクリーブランドダムへ。向かって左にダムへ行く道がある。高さ70メートルの放水路、そして渓谷の切り立つ岩壁が迫力たっぷりだ。
クリーブランドダムはアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『シックス・デイ(The 6th Day)』、テレビドラマシリーズ、ヤング・スーパーマン(Smallville)をはじめ、さまざまな映画、テレビドラマのロケで使われていることでも知られている。
ダムを通り過ぎると道が二つに分かれる。右のBaden Powell Trailではなく左の道Palisades Trailを進むとすぐに、さらに二手に分かれるので、左のTrans Canada Trail/Capilano Pacific Trailを下りていく。孵化場までほとんど下るコースとなっている。
5分ほど行くと右手に道があるジャンクション(道が交差しているところ)に着く。脇道ではなく、まっすぐに行くと、Giant Fir Trailの標識がある。標識にしたがってGiant Fir Trailを進むと、木の階段があるので下りる。
階段を下りてすぐのところに、ダグラスファーの巨木がそびえ立っている。通称「Grandpa (またはGrandfather)Capilano」で、樹齢800年、高さ60メートル、直径2.5メートルと圧倒的な存在感を見せている。訪れる人たちを、遠い昔から見守っているおじいちゃん(Grandpa)のような巨木だ。
Grandpa Capilanoの大きさに感動したあとは、引き続き同じ道、Giant Fir Trailを下っていく。次のジャンクションで左のSecond Canyon Viewpointへ。木製のプラットフォームになっていて、渓谷の眺望を楽しむことができる。川の向こうには孵化場も見えている。
Viewpointで景色を満喫したら、先ほど来た道をPipeline Trailとのジャンクションまで戻る。右がPipeline Trailだが、左のSecond Canyon Viewpoint Trailを進むとキャピラノ渓谷のCable Poolにかかる橋(Cable Pool Bridge)がある。
秋に訪れると、ViewpointやCable Poolの橋からは遡上するサケや釣りをする人も見える。ダウンタウンから車で30分ほどの川で、こんな大きなサケが釣れるのか!と感動する。
橋を渡ってしばらく行くとサケの孵化場があるが、残念ながら現在は閉まっている。キャピラノサーモン孵化場は北海道の標津サーモン科学館と姉妹館提携をしている。
孵化場の駐車場のそばにPalisades Trailがあるので、このトレイルをクリーブランドダムまで戻る。
ダムのそばにはピクニックテーブルもあるので、ハイキングのあと、お弁当を食べたり、バーベキューしたりと楽しめる。
キャピラノキャニオン・ループ(Capilano Canyon Loop)
距離 3.5キロメートル
犬 OK(リードが必要)
・クリーブランドダムとキャピラノサケ孵化場にトイレがある。
メトロバンクーバーのウェブサイトでキャピラノリバー・リージョナルパークのパンフレットをダウンロードできる。地図もあるので便利。
http://www.metrovancouver.org/services/parks/ParksPublications/CAP_RP_Trail_Brochure.pdf
(取材 西川桂子)
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