カナダから日本への入国、ワクチン接種済みなら隔離期間短縮

 日本政府の水際対策強化の一環として行われている自己隔離期間が10月1日から一部短縮された。

 短縮の対象となるのは、有効なワクチン接種証明書を保持して日本に入国・帰国して、かつ入国後10日目以降に自主的に受けた検査の結果が陰性だった人で、14日間待機のうち残りの期間の自主隔離は求められないという。

 入国後14日間の待機期間の一部を短縮するためには、入国後10日目以降に自主検査を受け、厚生労働省(入国者健康確認センター)に陰性の結果を届け出る必要がある。

 在バンクーバー日本国総領事館の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかる注意喚起(10月1日)」には

「ワクチン接種証明書を提示するだけで自己隔離期間の短縮が『自動的』に認められるわけではなく、自己隔離10日目以降に、
(1)公共交通機関を使わず
(2)指定された医療機関または衛生検査所に自ら出向き
(3)改めてPCR検査等を受診し
(4)それを入国者健康確認センターに送り
(5)待機終了の案内を受けて

はじめて自己隔離期間が短縮されることになります」とある。

ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチンのみ

 日本では現在、ファイザー社、武田/モデルナ社、およびアストラゼネカ社のワクチンが薬事承認されているため、隔離短縮で有効と認められるワクチンは、現時点では、日本で承認されているこの3社のワクチンのみとなっている。

 これらの3社以外のワクチンの接種証明書は、他国で承認されていても、有効な接種証明書とは認められず、隔離短縮を受けることはできない。

 また、1回のみ接種は認められていないほか、2回目の接種日から 14日以上経過している必要がある。例えば、10 月1日に2回目の接種を受けた場合、10月15日以降に日本入国・帰国するなら、有効な接種証明書として認められる。

該当ワクチンなら交差接種もOK

 ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのいずれかであれば異なる種類のワクチンを接種した場合でも、合計の接種回数が2回以上かつ2回目の接種日から 14 日以上経過していれば、有効と認められる。

 ただし、2回のうち1回がファイザー、モデルナ、アストラゼネカのいずれかのワクチンであって、別の1回がこれら3社以外のワクチンのケースは、有効と認められない。

認められるワクチン接種証明書

 接種証明書は入国の際に提示、写しを提出する。

 接種証明書は政府等公的な機関で発行されたワクチン接種証明書であることが条件で、民間機関等が発行する接種証明書は認められない。カナダでは薬局で接種を受けて、薬局が発行した接種証明書を所持しているケースもあるが、政府が発行した証明書を利用する。

 ブリティッシュ・コロンビア州の場合、ワクチン接種の際に発行された、名刺大の紙のワクチンカードか、Health Gateway(www.healthgateway.gov.bc.ca、「このBC州政府のアプリがあればコロナワクチン接種記録の確認もできる!前編」)でダウンロードした接種記録が政府が発行した証明書となる。

 BCワクチンカードについてバンクーバー新報で厚生労働省に問い合わせたところ、「QRコードのスクリーンショット・提示については、現時点では日本国内では検疫官が確認できない可能性もあるため、紙のカードの提示と写しの提出」との回答があった。

 Health Gatewayのような電子的に交付された接種証明書については、アプリ、PDF、画像、写真等表示形式は問わず、 接種証明書の内容が確認でき、条件が満たされていれば有効な接種証明書として認められる。

 在バンクーバー総領事館の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかる注意喚起(10月8日)」では「BC州及びユーコン準州の場合、ワクチン接種時に渡される医療従事者の手書きによる接種記録カードも有効なワクチン接種証明書と認められていますので、どちらかと言えば、その『写し』を提出する方をお勧めします」としている。  

ワクチン未接種の12歳未満の子どもは隔離期間の短縮不可

 年齢要件でワクチン接種が認められていない子どもには、たとえ接種証明書を所持する親と一緒であっても待機期間の短縮は認めらない。

待機解除のPCR検査

 待機解除するための検査は、PCR検査または抗原定量検査のみ。抗原検査キットについては、無症状者への検査は適さないとされているため認められない。

自費でのPCR検査・抗原定量検査を提供している検査機関
社会経済活動の中で本人等の希望により全額自己負担で実施する検査(いわゆる自費検査)について
(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19- jihikensa_00001.html

 リンク先のリストには、PCR検査・抗原定量検査以外を提供している検査機関もある。現在、待機解除のための検査はPCR検査または抗原定量検査のみなので注意が必要。

 厚生労働省ホームページに掲載されている検査機関以外の機関で受けた検査については、 実在する医療機関又は衛生検査所で受けたものと確認ができないため認められない。

 待機解除のために、検査機関に出向くことは、不要不急の外出にはならない。一般の人が利用する公共交通機関等を利用せず、自家用車などで移動する。検査機関によっては、郵送で検体を送付することで検査を実施できる機関もあるので、検査機関に事前に問い合わせることを厚生労働省のウェブページで勧めている。

 ただし、検体を郵送する場合は採取容器などを事前に送付してもらう必要がある。

陰性証明の届出

 アプリMySOSを使って届出を行う。

緩和陰性証明書の提出の仕方についてのマニュアル
https://teachme.jp/111284/manuals/13344568/ 

・18時までの提出の場合には、当日中に翌日から待機緩和となる旨の通知がMySOSアプリから届く。
・18時1分以降の場合には、翌日届出内容の確認が済み次第、当日から待機緩和となる旨の通知がMySOSアプリから届く。

厚生労働省ウェブページ「ワクチン接種証明書の「写し」の提出について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00307.html)より。

(取材 西川桂子)

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