日本カナダ商工会議所のクリスマス・ランチと小松和子アワード授与式が12月14日、ガスタウンのイタリア料理レストラン、Al Porto Ristoranteで行われた。ビオラ奏者、Seongwoo Jeongさんのミニコンサートもあり、優しい音色に参加者は耳を傾けた。
公の場での集まりとしては2年ぶりとなった同イベントには、羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事夫妻をはじめとするゲストや会員、合わせて30名が参加。久しぶりに対面での親睦のひとときを楽しんだ。
今年はサミー高橋現会長の提案で新たに小松和子アワードを設けた。故小松和子氏は、日本カナダ商工会議所の設立発起人のひとりで、初代会長を務めたほか、長年にわたり陣頭指揮をとった。
小松元会長の名前を冠したアワードは、地域社会への還元、貢献をして、日本とカナダの国際ビジネス交流や日系社会で活躍した個人や団体を表彰するもので、2021年は8名と1団体が受賞した。
ライフタイム・アチーブメント・アワード
津田佐江子氏およびゲリー・マトソン氏
ライフタイム・アチーブメント・アワードは41年間、『バンクーバー新報』を発行してきた津田佐江子氏と、弁護士のゲリー・マトソン氏が受賞した。二人は日本カナダ商工会議所の設立初期から長年にわたる会および日系コミュニティへの貢献と功績が評価された。
ヤング・アントレプレナー・アワード
疋田拓也氏
ヤング・アントレプレナー・ アワードは、日本カナダ商工会議所青年部でめきめきと頭角を現している疋田氏が受賞。『食を通じて日本とカナダを繋ぐ』ことにおいて、著しい活躍をした。
プロフェッショナル・サービス・アワード
入谷伊都子氏と藤野啓氏
入谷伊都子氏は中小企業や個人のビジネス、特にパンデミックで影響を受けたビジネスの会計面でのサポートをしたこと、藤野啓氏は日本にいながら、ソーシャルメディア動画技術で会のオンラインイベントを成功させたことで、プロフェッショナル・サービス・アワードを受賞した。
コミュニティ・サービス・アワード
山本芳照氏、中村“マント”真人氏、井戸爵秀氏、日本語認知症サポート協会
山本芳照氏は人気のフラダンス教室を運営し、コミュニティの人たちの心身の健康維持に尽力した。カメラマンの中村“マント”真人氏は、和歌山県美浜町へのトーテムポール寄贈に関する動画を撮影、制作したほか、日系コミュニティで躍動感、メッセージ性ある写真を撮影してコミュニティの活性化に貢献した。
バンクーバー在住のユーチューバー、井戸爵秀氏は、日本カナダ商工会議所が関わった、ジャパンタウン(日本人街)復興や和歌山へのトーテムポール寄贈企画を撮影した。
日本語認知症サポート協会は、2017年から地域の日系コミュニティで、認知症についての誤解や偏見をなくすため、正しい情報の普及および意識啓発に努めている。その草の根活動と日系コミュニティへの貢献に感謝を示してアワードを授与した。協会を代表して福島誉子氏が賞状を受け取った。
出席した受賞者らは、これからも日系コミュニティの安定と、カナダと日本の結びつきを強めていくよう、新たな気持ちで活動に力をいれていきたいと意気込みを語った。また、一緒に活動してきた仲間や、活動を賛同するコミュニティの人たちに感謝を示した。
14日に欠席した井戸氏、藤野氏、入谷氏に対しては、20日にバーチャルで授賞式が行われた。
日本カナダ商工会議所
2003年設立の日系経済団体で、連邦政府認可のNPO。カナダでビジネスを経営をしている、または関連の経済社会活動をしている、日本人、日系人や日系企業団体で主に構成。日本とカナダをビジネス、文化、教育、観光で結び、日系社会や、カナダ社会に積極的に参加することでビジネスや友好関係の発展を図る。
https://jc-coc.org/
(取材 西川桂子 / 撮影 Manto Artworks)
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